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コンサルタントコラム

現在私はプレイングマネージャーとして営業部をみています。
最近徐々に営業の最前線から退きつつあるのですが、今回はそんな自分が過去を振り返ったときに気づいた、
『人はどういう状態になったら成長するのか』という点について執筆しました。
営業部署のマネージャーでこちらに当てはまる状況の方は、ぜひ読み進めてみてください。
・マネージャーである自分が部下の売上も稼ぐことが常態化している
・稼げていない部下から危機感を感じる雰囲気がない
・稼いでいるメンバーと稼げないメンバーの差が埋まらない
人は様々な成長要因がありますが、私の経験では特に競争によって成長します。営業職であれば、同僚に負けたくない、先輩に勝ちたいなどの思いに掻き立てられ、成長が促されると思っています。
しかし、成長を促す一方でこの【競争】というものは厄介で、ときに嫉妬、妬み、人の足を引っ張っぱるなど、マイナスのエネルギーを生み出すこともあります。
そこで如何に上手く競争を活用して、部下を成長させられるかという観点でポイントを3つ書いてみました。
① フェアな環境で競争させる
まずは同じ指標で競わせることが大事です。
営業職であれば、商談数・提案数・売上の数字などがありますが、Aさんは商談数、Bさんは提案数など人によって評価するポイントを変えてしまうと、AさんもBさんも競う相手がいなくなり、競争心が働かなくなります。
同じポイントで優劣をつけることで負けている人は勝とうと努力し、勝っている人は追い抜かされまいとより努力します。
② 当事者同士がお互いの状況を確認できるようにしておく
競争している当事者が常にお互いを意識できるようにしておきましょう。
当事者が確認できるような環境で毎朝営業数字を配信する・業務が終わったら進捗を報告するなど、常に競争相手を意識させます。
また、マネージャー側からも
「AさんはBさんに2件提案数が勝っているね。」
「BさんはCさんよりもアポイント件数が多いね」
など、評価者から比較されているという認識ももってもらえるようにします。
③ 競争心を煽る
当事者が競争を意識し始めたタイミングで評価者から、当事者に合わせて負けられないポイントを伝えます。
やりすぎると当事者が疲弊したりもするので、加減は必要ですが、
例えば「年下には負けられないよね」、「未経験者にはお手本を見せてあげないとね」
など負けられない理由もセットで伝えるようにします。
ここまで行い、競争心が根付いてくると、部下が負けないためにどうするかという思考が働くようになりますので、部下から能動的に相談がくる ようになります。
人は受動的に受けるアドバイスでは、身につかないことも多いですが、課題感を持ち能動的に受けたアドバイスはすぐ血肉になります。
上司から「この本読むとためになるよ」と言われて全員がすぐに読むでしょうか?
しかし、自分が本当に困ってアドバイスを求め、「この本に同じような状況の人の解説と解決策が書いてあるよ」と言われると、自ら読み進め、読んだ内容も血肉になり、人に語れるようにもなると思います。
ただ、先程書いたように競争は負けている人がマイナスのエネルギーを生み出すことも多分にあります。
なので、マネージャーは負けている人が【負けていることを受け入れているか】ということを注視してください。
人間は弱い生き物です。負けている現実を受け入れられないときもあります。
そのようなときに不正行為や、虚偽報告が起こったりします。スポーツ選手が成長している後輩を脅威に感じ、薬物を混ぜたニュースを昔見ましたが、正にこのようなことが起こりうる可能性があります。
もし、そのようなことを発見したときには負けていることを受け止めさせ、今負けている分の伸びしろが大きい、ということを指導してあげてください。
例え負けていたとしても、追いつこうともがくことで、部下は成長します。
このように、『常に比較され、競争の中にいる』という意識を芽生えさせることで、部下は危機感を感じます。
そして、勝ちたい負けたくないと考え、牙を磨くのです。
部下が複数いる状況であれば、このような環境をマネージャー側がつくり、切磋琢磨させることでデキる部下が頭角を表してきます。
部下の心境に注意しながら試していただき、強いチームを作る参考になりますと幸いです。
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