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- 売上が上がらない!という会社がほぼ間違いなくやってないこと
コンサルタントコラム
サッカーでゴールが決まる際、普通の流れだとラストパサーからパスがフォワードに渡り、フォワードがネットを揺らします。つまり、
ラストパサー → フォワード → ゴール
という流れです。
あるチームが不振に陥り、なかなかゴールが決まらなくなりました。
その時、ほぼ間違いなく監督はここをチェックするでしょう。
A:ラストパスが上手く出ているか(ラストパサーからフォワードにボールが届いているか)
B:シュートは枠に飛んでいるのか(せっかくのラストパスをフォワードが外しまくってないか)
上の矢印の流れから考えれば、至極当たり前の話です。
Aに問題があるとわかれば、ラストパサーを補強し、まずはフォワードにボールが入るようにする必要があります。
Bに問題があるとわかれば、フォワードを補強し、ラストパスを無駄にしないシュートを打たせる必要があります。
つまり、ラストパスの本数と枠内シュートの本数をきちんと計測していればどこに問題があるのか見えてきます。
サッカーに置き換えるとすっと入りやすいこの話ですが、営業に置き換えると全然出来ていない会社が多いのです。
営業におけるラストパスとは、主に以下の2つのことを指します。
・新規商談数
・新規来店数
このような指数をラストパス指数と呼びます(一般的に、ではなく私が)。
そして、シュートとは主に以下の3つのことを指します。
・成約率(申込率)
・リピート率
・客単価
このような指数をシュート指数と呼びます(こちらも、私が)。
一般的にこの2つの指数さえ計測していれば、店舗系ビジネスでも対面営業系ビジネスでも次にやるべきことが見えてきます。
そして、売上が上がらないという会社ほど、この指数の計測を行っていません。
売上が悪いわけですから、両方の指数が良いということはありえません。
ありえるパターンは、
・ラストパス指数:悪 シュート指数:良
・ラストパス指数:良 シュート指数:悪
・ラストパス指数:悪 シュート指数:悪
この3つしかありません。
■ラストパス指数:悪 シュート指数:良 の場合
営業にいけばそこそこ決まる、来店してもらえればそこそこの単価でリピーターになってくれる。だけど、 そもそも新しい商談が少ない、新規来店が少ない、そんな状況です。
解決策は簡単です。
ガンガンテレアポをする、路上でチラシを配る、そうやって新しい顧客との接点を作るようにしていけば必然と売上は上向きます。
■ラストパス指数:良 シュート指数:悪 の場合
新規商談、新規来店は多いが、なかなか成約しない、客単価が伸びない、リピーターになってくれない、そんな状況です。
解決策はやや複雑になります。
営業資料で魅力が伝わっているか、価格が適正か、接客に問題がないか、味に問題がないか、などなど、お客様との接点が生まれた後のオペレーションを総合的に見直して行く必要があります。
余談ですが、このパターンの場合でも、売上が良いケースがあります。
それは、フォワードが外しまくってもそれを上回る本数でラストパスが入っていれば良いのです。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると同じです。
駅前の立地が良い飲食店があんまり美味しくなかったり、なんてのがこのパターンです。
■ラストパス指数:悪 シュート指数:悪 の場合
どっちも悪い、そんな状況です。それ以上でも以下でもありません。
解決策はある意味簡単です。
サッカーの話に戻るとわかりやすいですが、ラストパサーもフォワードもダメなのに、良いフォワードを海外から連れてきても多分活躍できません。
なぜなら、ボールが来ないからです。ボールが来なければシュートは打てません。
なので、まずはラストパサーを補強する必要があります。
それと同じで、ガンガンテレアポをする、路上でチラシを配る、といったラストパス指数の向上に取り組むのがまず大事です。
創業間もないベンチャー企業の経営が傾くのがここです。
創業間もないわけですから、全ての企業が一般的にはどちらの指数も”悪”から始まります。
その時、シュート指数の向上に取り組んでしまうのです。
シュート指数の向上の方が創意工夫する余地があって楽しく、かたや、ラストパス指数の向上は気合と根性に関係する割合が多いというのもあるのでしょう。
ですが、どれだけ練習でシュートがうまくなっても(仲間内で新しい営業資料をいいね~!!て言ったり、新メニューをイケる!!といくら言っても)、試合でボールが来なければシュートも打てません(商談がなければ、お客さんが来なければ意味がありません)。
そうこうしている間に時間が流れ、お金が枯渇していってしまうのです。
ということで、ラストパス指数とシュート指数の計測。
まずはそこから初めるだけで、手探りで運転したところにコクピットが備わったような感覚になれます。
ぜひ、お試しください。
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