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- 2022.12.27
自己評価と他己評価との付き合い方
成長論 / 大村 康雄

昨今、メンバーシップ型からジョブ型へと、これまでの日本社会において当たり前だった働き方の概念を、変えていこうという動きが多々見られます。
メンバーシップ型とは、同じ企業のメンバーであることを第一とし、そこで何を仕事として行うかは追って決めるという考え方。
ジョブ型とは、何を仕事として行ってもらうかが第一で、その仕事内容に見合う社員を適宜採用していくという考え方。
私なりにシンプルに説明させてもらえるのならば、このような印象です、
【メンバーシップ型】一緒のところにいることが第一で何をやるかはその次、ということで家族的勤務形態
【ジョブ型】誰でも良いからそのポジションでやらないといけないことをしっかりやってほしい、ということでスポーツチーム的勤務形態
そして、今の日本は、そんなジョブ型、スポーツチーム的な勤務形態に移り変わろうとしているわけです。
メンバーシップ型とジョブ型の違いはたくさんありますが、最も大きな違いは評価がシビアにならざるを得ないことにあると思います。
家族を評価して、「はい、お母さんはクビです。」というのはありえません。
しかし、スポーツチームでは、「今シーズンのパフォーマンスが満足いくものではなかったので、来シーズンは別の選手を補強しますのであなたとは契約しません。」というのは日常茶飯事です。
そんな社会がすぐそこまで来ています。
つまり、常に自分の評価がどんな状態なのか認識しておく必要があるのです。
高い評価をもらうためにまず必要なことは、自分のプレー、すなわち仕事ぶりに自信を持つことです。
試合に出た選手が常に監督がどう評価しているかが気になって、ベンチをちらちら見ていては高いパフォーマンスを発揮することは難しいでしょう。
試合に出たからには試合中は自信満々でプレーすること、仕事でいえば勤務中は自信満々で働くこと、これが重要です。
そのために必要なこととして、2種類の自己評価を持っておくことをお勧めします。
1つ目の自己評価は、「自分ってすごいじゃん!」と思える自己評価です。いわばポジティブ評価です。
これを持っておくことで、自信がつき、様々なことを行う際のエネルギーになってくれます。
2つ目の自己評価は、「自分ってまだまだだな。」と思える自己評価です。いわばネガティブ評価です。
これを持っておくことで、1つ目のポジティブ評価が行き過ぎた際にブレーキになってくれます。
バランスとしては、ポジティブ評価7:ネガティブ評価3くらいで意識すると良いです。
私自身で例えるなら、仕事中の7割の時間帯で「会社を17期まで存続させて、直近6期は増収、11期は黒字だ。俺は名経営者だ!」と思いつつ、残りの3割の時間帯で「17期も経営しておきながら、まだまだ世間では無名企業だ。もっと設立から間もない期間で大企業を作り上げた社長はたくさんいるのに。」と思う、という感じです。
内容はなんでもいいのです。自分がエネルギーが出ることと、それが行き過ぎないようにブレーキがかかることであれば。
こうすることで、自信を持ちつつも過信になるところまではエスカレートさせないようにできます。
ただ、重要なのは、自己評価と他己評価がずれた場合、ほとんどのケースで他己評価が正しいということです。
自己評価で「自分は優秀だ。」と思い、自信満々に仕事をしていたとします。しかし、人事考課で良くない査定をもらった。
この場合、査定が間違っていると主張して覆るケースはほとんどないでしょう。
また、悪質な職場いじめなどがない限り、本当に優秀な人に良くない査定を付けるケースは考えにくいです。
それで退職してしまったら、会社にとっては大きな損害ですから。
そのような際は、他己評価を真摯に受け止め、改善に努めること。
その時、ポジティブ評価がしにくい心理状態になってしまうかもしれませんが、探してみると自分の良いところはたくさんあるはずです。
「予想外に低い査定をもらったけど、退職せずに切り替えて毎日働けてる私ってすごい!」でも良いのです。
そのようにして、自信は絶対に折らずに、次の他己評価で良い評価をもらえるよう頑張れば良いのです。
まとめます。
・シビアな評価が当たり前になりつつある世の中です。
・良い評価を得るためには、7:3の割合で自分に対してポジティブ評価とネガティブ評価を下し、自信満々な自分で日々の仕事に臨みましょう。
・ポジティブ評価をする際は、自分に前向きなエネルギーが宿れば採点は激甘でも構いません。他人に話すわけでもないですので。
・ただ、他己評価で良くない評価を受けたら、それは真摯に受け止めましょう。現実社会で本当に優秀な人をあえて良くない評価を付けることはほとんどありません。
・他己評価によって、自信を喪失してしまったら、また激甘採点で良いので何かしら自分をポジティブ評価して、前を向いて進みましょう。
これを繰り返せば、シビアな評価な世の中もうまくわたっていけると思います。
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