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コンサルタントコラム

起業
2023.02.16

創業メンバーで起業準備中に確認しておくべきこと

起業 / 大村 康雄

実は、日本における起業環境は年々好転しています。

日本政策金融公庫では、新創業融資制度という制度を設けており、新たに事業を始めたり、始めてから2期経っていない人の融資は、無担保無保証で行うことになっています。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html
つまり、起業で失敗してマイホームを手放すことも、借金を完済するまで日夜働き続ける必要も無いのです。
ダメならダメでそこで終わり。そういう制度です。

また、それ以外の民間金融機関も、法改正により代表者(社長)の個人保証を求めるのはNGになってきています。
2023年度から細かい制度面が整備され、来年度以降は一般的にどんどん知れ渡っていくでしょう。

このように、日本において起業は、もはや人生をかけた一大勝負ではなく、ライフデザインの選択肢の一つとして考えられるところまで来ています。
ただ、お金の面でのリスクが下がる一方で、おそらく永久的に変わらず、かつ、あまりスポットライトが当てられないであろう創業時のリスクがあります。

それが、【創業メンバーの人間関係】です。

このように制度面の緩和が行われると、「よし、それならばチャレンジしてみよう!」と思う人は少なかれず増えていきます。
そして、そのときに「一緒にやらないか?」と友人を誘うこともあるでしょう。
実際、金融関係のトレンドに強い人は、上記の流れを既に把握しており、起業準備に入っている人もいるかもしれません。

実際、私がそうでした。
私の時代、有限会社は300万円、株式会社は1000万円の貯金を作らないと(資本金を拠出しないと)会社を作ることができませんでした。
それが約20年前、創業後5年以内でそれだけの資本になれば良いと緩和されました。その後、この資本金規制は全廃されます。
そのとき、当時の友人達と「やってみるか!」と始めた会社が今の株式会社エッジコネクションの前身です。
その起業はうまくいかず、一旦会社を休眠させ、再度チャレンジした際にエッジコネクションという現商号に変更するのですが、その時の再創業メンバーも当時の友人達でした。

そして、その友人たちとその後どうなったかというと、今は誰一人当社に残っていません。
これが珍しい例かというとそうでもなく、私の知っている企業はほぼ全て創業から7~8年を最長として、創業メンバーの物別れが発生しています。

必ずしもケンカ別れが起こっているわけではありません。
実際、私も当社を離脱したメンバーと顔も合わさないかというと、1年に数回会って、普通にお酒を飲んでます。
しかし、苦楽を共にした経験を良くも悪くも共有しているため、何も考えずにバカ話ばかりしていたままの関係で現在に至っていたらどうだっただろう?とふと考えたりもします。

それくらい、共に起業をするということは、創業メンバー間の関係性を変えてしまいます。
その原因は様々でしょう。

・実際に一緒に働いてみたら、あまりにビジネススキルに差があってイライラが募ってしまった。
・友達が社長として上司になったが、実際に上司として偉そうにされると腹が立つ。
・社長とそれ以外とではのしかかる責任に違いがあり、成長スピードに差が出てきた。
・創業してみたら当初の計画通りにいかず、モチベーションにズレが生じてきた。

思い出せる事例は山ほど書けます。

また、ソフトランディングすれば良いですが、激しい衝突を起こしてしまうとそのまま経営破綻を招く恐れもあります。
それくらい、実は創業メンバーの関係性の将来像を事前に考えておくことは重要なのです。

ぜひやっていてほしいこととしては、社長になる人がそれ以外の人に対し、「私に絶対服従できるか?」と聞き、Yesをもらうことです。
”絶対服従”と強い言葉を使ったのは、元々の関係性が友達など親しい間柄だと、お互いに上下関係ができることに対してリアルなイメージが沸かず、「なんとかなるだろう」くらいで考えてしまうからです。
そのような状況に対して、「絶対服従できるか?」と聞くことで、真剣にこれから先に起こることをイメージできるようになります。

また、実際問題として、社長が決めたことに対して、いちいち口を挟んだり反対する創業メンバーばかりでは、会社はすぐに立ちいかなくなります。
”絶対服従”とは、言い過ぎとまでは言えないのです。

日本社会がせっかく起業しやすい環境になったのに、その代償に無二の親友を失った、という事態は発生してほしくありません。
ぜひ、事前に創業メンバー間で先々を見越した関係性のイメージを共有し、場合によっては他の人に入れ替えることも検討してほしいと思います。

起業はいつでもできる時代になってきてますが、友人は作ろうと思っても自分一人ですぐに作れるわけではありませんから。

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