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2016.10.19

スタートアップと文化祭の模擬店

起業
起業 / 大村 康雄

ある高校の文化祭では、模擬店や演劇など、各クラス何をやっても自由ですが、文化祭期間の売上を競い合う文化があります。

 

また、3年生には2クラスあり、A組は日本人のみで構成されているクラスで、B組は海外からの留学生をたくさん受け入れている国際色豊かなクラスです。

 

各クラス、今年の文化祭はどうやって売り上げを上げようか、クラス会議が始まりました。

 

A組は、

 

「お好み焼きなんてどう?」

 

「お化け屋敷で入場料は取れないかなぁ?」

 

必死にアイディアを出しますが、様々な文化的背景を持つB組のアイディアほどバリエーションに富んではいません。

 

B組の企画のアイディアはバリエーションに富んでいます。

 

「うちの国では、こんな手軽に作れる料理があるよ。」

 

「私、うちの国の伝統舞踊踊れるから、それで鑑賞料を取るのはどうかな?」

 

そんな多彩なアイディアが出る状況に、「これはA組に勝てる!」と、B組の学級委員長はわくわくが止まりませんでした。

 

なんとか意見はまとまり、A組、B組共に食べ物を売るお店をやることにしました。

 

A組はたこ焼き屋。

 

B組は日本では馴染みがないけどある留学生が提案した、レシピを聞く限り手軽に作れておいしそうなその国の郷土料理でした。

 

 

 

さて、準備が始まりました。

 

A組のたこ焼きは日本人にとって馴染みのある料理。

 

買い出しやレシピ作りは順調に終わり、トッピングのアイディアを出してもまだ時間は余ります。

 

文化祭までの残った時間をフルフルに使い、チラシつくりや食券販売のチームをどう配置するか入念な計画を立てることが出来ました。

 

一方、B組。

 

ほとんどのクラスメイトにとって、売ろうとしている食べ物は馴染みがないものです。

 

初めて食べたクラスメイトたちは予想通り、これはおいしい!と十分勝算があると感じました。

 

と同時に、「こんな味だったら、うちの国のこの調味料が合うかも。」「私も、合わせて食べるとおいしい食べ物思いついた!」とさらにアイディアが出てきました。

 

実際、そのアイディアのどれもが食べてみるとおいしく、商品力がどんどん上がっていることをクラス全員が感じていました。

 

しかし、改良がされた商品にまた新たなアイディアが加わり商品力が上がり…ということが繰り返され、改良のたびにおいしくなっていたのは事実ですが、改良されるたびに商品の見た目、ネーミングが変わるため、みんな遅くまで学校に残りましたが文化祭当日までに用意できたチラシの枚数はA組よりも少なくなってしまいました。

 

当然、販売チームの組成やチームの巡回経路の確認はきちんと計画できませんでした。

 

 

 

迎えた文化祭当日。

 

A組は用意したチラシを手に食券販売チームが校内を営業に回ります。

 

「たこ焼きはいかがですか~?」

 

事前に効果的な校内の巡回の仕方を計画し、チラシも潤沢に用意していたため、お店を見て訪れるお客さん以外にも販売チームから購入した食券を商品と交換に来るお客さんで、お店は大忙しでした。

 

しかし、ほとんどのクラスメイトはたこ焼きの作り方はわかっています。

 

うまく交代でペースを落とすことなく、商品が作られていきました。

 

一方、B組。

 

お店で足を運んでくれた人は、一様においしい!!と言ってくれました。

 

しかし、チラシが潤沢にないこと、販売チームの効果的な動き方を計画していなかったこと、商品が一言でお客さんにわかってもらえないこと(日本とは違う国の郷土料理がさらに各国風にアレンジされているので)、この3つが大きな要因となり食券販売チームが苦戦し、商品を食べたお客さんが「おいしい!」と言ったのを別のお客さんが見てつられて購入するというケースがほとんどでした。

 

つまり、お店の前にお客さんがいなくなると、また新しいお客さんの連鎖を作るのに苦労するという事態に陥ったのでした。

 

また、お店が混んだら混んだで別の問題がありました。

 

それは、B組の商品は、ある留学生が提案したその留学生の郷土料理がベースです。

 

ほとんどのクラスメイトには馴染みがなく、キッチン担当は事前に練習したものの、A組のたこ焼きほど誰が作ってもスピーディーに作れるという状況ではありませんでした。

 

 

 

そんなこんなで、文化祭は終わりました。

 

A組とB組は互いの健闘をたたえ合い、お互いの商品を食べ合いました。

 

A組のたこ焼きは留学生にとっては驚きのおいしさでしたが、B組の日本人生徒にとっては至って普通の味でした。

 

逆に、B組の商品を食べたA組の生徒は、「すごい!おいしい!これでお店出せるよ!!」とみんな称賛しました。

 

しかし、結果は、売り上げ、利益ともにA組が圧勝でした。

 

売り上げは当然ながら、利益に関しても改良を重ねる過程でいろんな食材を購入した費用がかさんでいたのでした。

 

 

 

このような状況を実行力という言葉を使い、経営の実行力に差が出たといったりします。

 

ただ、実際は、起業したてのようなのB組の状況をA組に近づけるのはなかなか難しいです。

 

・商品力の改良をどこまでやるべきかわからない。

・せっかくクラス(会社)のために出してくれたアイディアを無下にはできない(実際に、取り入れるべき良いアイディアである)。

・一般的に、企画よりも営業の方がしんどいので、営業計画、営業活動の実行をあまりやりたがらない。

 

以上が主に、B組の状況をA組に変えるときに立ちはだかる壁だと思います。

 

当社の場合は、1つ目と2つ目の壁がずっと立ちふさがってました。

 

それが、たまたまいろんなアイディアや意見を出してくれていた古参メンバーが離職するという事態が訪れ、また、それにより私も経営の実行力を維持することの重要性を痛感し、結果的に乗り越えられたのでした。

 

では、離職などに頼らない正式な乗り越え方は、学級委員長である社長が、「これ以上のアイディアはもういいから、次は営業計画だ!」などと、強力なリーダーシップを取ることしかないと思います。

 

売上、利益を生むのは商品力よりも実行力。

 

それを合言葉に経営陣で話し合い、トップに強力なリーダーシップを付与することで違う景色が見えてくると思います。

 

スタートアップや起業直後の経営陣の参考になりましたら幸いです。

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