- HOME
- コンサルタントコラム
- 1人で1ヶ月にいくら売り上げられるか想定する重要性
コンサルタントコラム

営業活動を始めるとき、”営業準備”というと営業にまつわることが思い浮かぶと思います。
・営業資料
・ターゲットリスト
・商談のロープレ
以上のようなことでしょうか。
しかし、実はこれら以外に、重要なのによく見落とされていることがあります。
それは、「1人で1ヶ月に最大いくら売り上げられるのか」というシミュレーションです。
「営業資料が揃った!リストも作った!商談のイメージも湧いた!よし、営業をスタートしよう!」
特に創業間もない企業は、このような雰囲気で営業活動を始めているように感じます。
「これで成功する!!」と練りに練ったビジネスモデルを世の中に広めていくわけですから、はやる気持ちが抑えきれないというのはあると思います。
実際、そこまで営業準備ができたのであれば受注が取れる可能性はぐっと高まっているでしょう。
しかし、それではまだ準備が不十分なのです。
なぜなら、受注が取れても単価が低ければ、採算が合わず生活していくことはできないからです。
一人で起業した場合、1ヶ月にざっと以下のようなお金がかかります。
自分の給料:35万円
オフィス家賃:10万円
通信および諸経費:5万円
その他、交際費など:10万円
合計:60万円
もちろん、どの地域で起業するのかやどれだけの給料をもらいたいかによっても変わります。
しかし、将来への投資のための貯金や新しく人を雇うことも考えると、毎月100万円ほどは収入が見込めないと厳しいことがわかります。
つまり、「その営業活動で毎月100万円を安定的に稼げそうですか?」という問いに、自信をもってYesと答えられないと、営業を始める準備が整ったとはいえないのです。
ちなみに、毎月定額で料金を受け取るようなビジネスモデルであれば、契約期間中に受け取れる総額がその月の受注からの収入になります。
「少しずつビジネスモデルを改良して、そのうち100万円を目指せれば良い。」と考えるかもしれません。
これが、一番事業を苦しめる判断です。
採算が悪い事業でクライアントがついてしまうと、いわゆる貧乏暇なし状態になってしまいます。
ビジネスモデルを改良しようにもそのための時間とエネルギーをなかなか捻出できず、とはいえ、新規で契約を取らないとキャッシュが回らないので、真綿で首を絞められるように徐々に事業展開が苦しくなっていきます。
また、創業者が1ヶ月で100万円を稼げるとき、その後を継ぐ営業担当者は50万円稼げれば御の字でしょう。
それくらい、創業者や社長と一般社員とではスキル差があります。
つまり、創業者が見込める売り上げは多いに越したことがないわけです。
営業を始める前に、この事業で1ヶ月100万円を稼げるかを真剣にイメージし、そこに自信を持てるようになってから営業をスタートさせてください。
受注が取れても採算が取れなければ何の意味もないと心得ましょう。
採算が取れる契約を受注して初めて、営業活動の成功といえます。
関連記事
-
- 起業
- 2021.03.03
営業嫌いな人が起業するときのリスクと対処…
ここ数年、新しく社会人になる若者の間では営業という職種を避ける動きが顕著になっていると感じます。 要因はいろいろあ…
-
- 起業
- 2016.10.19
スタートアップと文化祭の模擬店
ある高校の文化祭では、模擬店や演劇など、各クラス何をやっても自由ですが、文化祭期間の売上を競い合う文化があります。 …
-
- 起業
- 2021.12.08
起業時にオペレーション戦略か差別化戦略か…
起業が軌道に乗るには、2つの経営戦略のどちらかに軸足をどっしりと置く必要があります。 1つがオペレーション戦略です…
-
- 起業
- 2020.10.25
成功してモテるのではなく、モテないと成功…
私が起業したのは2007年。スマートホンが世の中に普及してくるのはそれから2,3年後。 アポイントに行くときも地図…
-
- 起業
- 2020.11.20
事業を軌道に乗せるための2種類のビジネス…
当たり前のことですが、起業をするにはビジネスモデルをしっかり考える必要があります。 そして、そのビジネスモデルは大別す…
-
- 起業
- 2017.08.03
事業責任者が一番大事にすべき経営資源とは…
弊社は、企業の営業のコンサルティングとアウトソーシングを同時に行うという会社です。 このコンサルティングとアウトソ…
-
- 起業
- 2023.02.16
創業メンバーで起業準備中に確認しておくべ…
実は、日本における起業環境は年々好転しています。 日本政策金融公庫では、新創業融資制度という制度を設けており、新た…
-
- 起業
- 2018.07.19
経営とはチームでやるものという前提で考え…
主に就活生や起業を検討している人向けです。 「起業なんてちょろいよ!気持ちがあるならやっちゃい…