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人事に向いている人の特徴は?4層モデルで簡単判断や未経験からのロードマップ

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人事は人と組織を扱う仕事をします。

成果が数値に出にくかったり、経営と現場の間に立ったり、時には同僚などのマイナスな感情を受け止めなければいけません。

大変な仕事のイメージがあるからこそ、本当に自分に向いているのか気になる方も多いでしょう。

本記事では、人事に向いているかを判断するための4つの層を紹介します。

また、人事に向いていない方の傾向や、未経験からのロードマップまで具体的に解説。

人事で働きたい方や、管理部門でキャリアアップを目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

人事に向いている人は「4つの層」の掛け合わせで決まる時代

最初に、人事に向いている人の4つの層について解説をします。

自分はどの部分が欠けているか、得意な部分はどこかを把握し、上手く掛け合わせながら人事としてスキルアップできるようにしましょう。

第1層:基礎層|人事の土台となる価値観と行動力

人事の仕事は、目に見える成果が出るまで時間がかかったり、いろいろな立場の気持ちを受け止めたりと、日々の心理的な負荷が大きい職種です。

だからこそ、向き・不向きを分ける土台は、後から身につけるスキルよりも「変わりにくい性格傾向」にあります。

ポイントは次の3つ。

どれも、人事として長く働くうえでの大切なマインドです。

基礎層|人事の土台となる価値観と行動力

次の項目では、この3つを「なぜ大事か」「現場でどのように対策をするか」の順で解説します。

自分はどれが当てはまるか、強みと伸ばしどころを一緒に見極めていきましょう。

成果が見えにくい人材育成・組織開発を楽しめる

人事の仕事、特に「人を育てる」「良い組織を作る」といった取り組みは、営業の売上のように「今月は〇〇円達成!」とすぐに数字で測れるものではありません。

効果が出るまでに時間がかかるため、多くの人事で働く方が最初にぶつかる大きな壁です。

「頑張っているのに、成果が分かりにくい…」と感じるのには、主に2つの理由があります。

  1. 結果が出るまで時間がかかる
  2. 他の要因が混ざってしまう

例えば、研修を1日やったからといって、次の日からいきなり全員の仕事ぶりが変わって業績が上がるわけではありません。

また、研修の成果が出始めた頃に、たまたま景気が悪くなったり、強力なライバル企業が現れたらどうでしょうか。

「研修のおかげでこれだけ伸びた!」と証明するのがとても難しいでしょう。

実際、HR総研の調査では、管理職研修の課題として38%の企業が「実施効果の測定ができていない」と悩んでいるのが現実です。

だからこそ、新入社員が一人前になるには1年、次のリーダーを育てるには5年~10年かかる、という長い時間軸で物事を考える視点が必要です。

しかし、目に見える結果がすぐに出ないからといって、落ち込む必要はありません。

大切なのは、短期的な数字に一喜一憂しないことです。

「研修をやったのに、今月の売上が変わらない…」と焦るのではなく、もっと「小さな変化の兆し」に目を向けましょう。

例えば、以下の視点を持つと落ち込まずに仕事にやりがいを感じます。

  • 「前は静かだった会議で、若手の発言が増えたかも?」
  • 「社員アンケートの解答率が、ほんの少しだけど上がった!」

こうした「目に見えない変化」を粘り強く拾い上げ、「次はこうしてみよう」と試行錯誤を楽しむ姿勢が重要です。

「研修をやる」「制度を作る」こと自体がゴールになってはいけません。

一番大切なのは、「人や組織は、時間はかかっても必ず良い方向に変われる」と信じること。

すぐに結果はでなくても、中長期的な視点で会社の成長に貢献することに喜びを感じられると、人材育成や組織開発を楽しめます。

感情労働へのストレス耐性がある

人事の仕事は、ただ事務作業をするだけではありません。

常に「会社の顔」として冷静に、相手の心情に配慮して対応する「感情労働」の側面がとても強い仕事です

例えば、以下の場面が日常的にあります。

  • 社員の不満や愚痴をひたすら聴く(時には感情的な言葉も受け止める)
  • ハラスメントがなかったか、デリケートな調査をする
  • 心の不調で休んでいる社員と、復帰に向けて面談する
  • 退職のお願い(退職勧奨)や、ペナルティ(懲戒処分)といった「悪いニュース」を、会社の代表として言い渡す

これらはどれも、精神的にとても負荷のかかる仕事。

MDPIの2021年の調査では、人事担当者の約66%が「精神的に疲れている」と感じており、特に「悪いニュースを伝えること」が最も困難な課題の一つ、という結果も出ていました。

ストレスが溜まるのには、主に2つの「カラクリ」があります。

  1. 「本心」を隠して業務を行う場合がある
  2. 相手の感情に共感しすぎる

一番の理由は、本心を抑えて「役割」を演じることにあります。

例えば、本当は自分も「この新しい制度は、現場のことを考えてなくて納得いかないな…」と思っていたとしても、社員には「会社の決定なので」と冷静に説明しなければなりません。

「本心」と「役割」のギャップが、心をすり減らしていきます。

また、「人が好き」で優しい人ほど、相手のネガティブな感情(怒り、悲しみ、不安)に共感しすぎて、一緒に落ち込んだり、相手の悩みを丸ごと背負い込んだりして、疲弊してしまうことがあります。

上記のストレスは、人事の仕事である以上、残念ながら避けては通れません

だからこそ、「心の回復力」がとても重要になります。

回復力を高めるためには、以下の方法がおすすめ。

  • 「ストレスを感じてるな」と早めに気づく
  • 自分なりのストレス解消法(コーピング)を持つ

自分の心の疲れに早めに気づき対処できれば、ストレスを感じても、心のバランスを保ち、安定して仕事を続けられるでしょう。

また、精神的回復力を高めるためには、「コントロールできること(自分の行動)」「影響を与えられること(他者との協働)」「コントロールできないこと」を区別し、前者2つに集中することも効果的です。

相手の感情を受け止めつつも、客観的な視点を保ち「課題の分離」ができる冷静さが重要です。

経営者と従業員の板挟みを乗り越える力がある

人事は「経営のパートナー(戦略実現)」と「従業員の代弁者(現場の声)」という、2つの役割があるため板挟みになりやすいです。

経営層が求める「会社全体の利益のために、効率を上げたい」「ムダなコストは削減したい」と、現場が求める「人が足りないから増やしてほしい!」「もっと給料や待遇を良くしてほしい」の間で対立が生じるためです。

この構造上、どちらからも信頼されるのは簡単ではありません

従業員からは「経営寄り」、経営層からは「現場寄り」と見なされやすく、「あの人はどっちの味方なんだ?」と疑われやすいのです。

言われたことをただ伝えたりその場限りの仲裁だけをしたりするだけでは、中立の立場を乗り越えられません。

大切なのは、双方の主張の背景や事情を深く理解することです

対立の「根本原因」は何かを探り「対立が起きないように、仕組みや関係性を変えられないか?」と考える視点が必要です。

板挟みを乗り越えるために、人事のプロは2つの武器を使います。

  1. 「翻訳」する力
  2. 「提言」する力

人事のプロは、経営者の難しい言葉を、現場の社員が納得できる言葉に分かりやすく翻訳して伝えます。

また、現場の愚痴を、ただ伝えてはいけません。

データや事実を揃えて、「このままでは離職者が増えて、結果的に会社の損失です。だから、こう変えませんか?」と経営者に論理的に提言します。

英国CIPD(勅許人事能力開発協会)でも、「人事プロフェッショナルに必要な重要な行動の1つは、他者に影響を与える能力と、決定や行動に異議を唱える勇気である」と定義されています。

どっちつかずの曖昧な態度は、結局どちらからも信頼を失います

事実に基づき、「会社全体のために、これがベストだ」という人事としての明確な意見を持つと板挟みの壁を乗り越えられます。

第2層:技能層|普遍的スキル×新スキルの形成力

人事で力を発揮するには、性格的な土台の上に学べるスキルを重ねることが大切です。

ここでは、いつの時代も使える「普遍的スキル」と、変化にあわせて磨き続けたい「新スキル」に分けて整理します。

それぞれどんなスキルか、なぜ必要なのかを客観的なデータも元に紹介しますので、人事に必要なスキルが気になる方は最後まで読み把握しておきましょう。

普遍的スキル【時代が変わっても求められる】

第2層の技能層の中でも、まず揃えるべきは「普遍的スキル」です。

時代や会社が変わっても通用するポータブルスキルは、基本スキルと言えます。

現在は、「AIが進化したら、仕事がなくなるんじゃ…?」と不安に思う方が増えています。

しかし、人事の仕事は、AIには決して代わることができません。

人事の仕事とは、「人と話し合い、間に入って調整し、問題を解決する」ことの連続だからです。

  • 経営者と現場の意見がぶつかった時の「調整」
  • 社員のデリケートな悩みを聴く「対話」
  • 組織の隠れた問題を見つけ出す「課題解決」

これらはすべて人間にしかできない、とても大切な仕事。

AIのような機械では、調整もコミュニケーションも取れないため、今後も人が役割を担うことになるでしょう。

具体的に、人事に必要なスキルは、次の3つです。

1. コミュニケーション能力(=「伝える」だけじゃない力)

2. 論理的思考力

3. 課題発見・解決能力

コミュニケーション能力は、評価を伝えるときは「なぜそうなったか」をわかりやすく説明し、相談では相手の本音を丁寧に聞き出します。

部署どうしで意見がぶつかったら、話を整理して、みんなが納得できる落としどころを見つける役目を行います。

論理的に考える力は、「若手の退職が増えた?」と感じたら、事実を確認し、原因を給与・人間関係・仕事内容などに分けて考えます。

公平な評価をするうえでも、分解して考える姿勢が土台になるでしょう。

課題発見・解決能力は、現場の声やデータから本当の原因を特定し、必要なら研修の仕組みを作って実行し、結果までチェックします。

3つのスキルがそろうと、人事として大きく成長できるでしょう。

新スキル【2025年以降求められる可能性大】

第2層の「技能層」には、「普遍的スキル」の他に、時代に合わせて入れ替えるべき「新スキル」があります。

新しいスキルが必要な理由は、社会全体が大きく変わっているからです。

  • 人を「財産」として活かす経営(人的資本経営)
  • デジタル化やAIの波(DX)
  • 働き方や価値観の多様化

こうした大きなトレンドに対応するため、人事には新しい4つのスキルが強く求められています。

特に2025年以降、重要性が増しているのが、以下の4つ。

  1. データ分析・活用力
  2. HRテクノロジー(AI含む)活用力
  3. 戦略構築力(ビジネス感覚)
  4. 変革推進力(チェンジマネジメント)

人事を目指すなら、まずデータ分析力と活用力が必須

勤怠や評価の数字を読み解いて離職のサインに先回りし、誰をどの部署で活躍させるかを見立てます。

経済産業省の「人材版伊藤レポート2.0」でも、人的資本経営推進のため「データ活用による現状の可視化」が推奨されています。

次に、AIやHRテックを積極的に活用しましょう。

生成AIで履歴書チェックを効率化したり、社内のよくある質問にボットで即答させるなど、作業を賢く自動化します。

さらに会社がどう稼ぐかを理解し、経営の動きに合わせて採用・育成を設計する視点も必須。

また、人事には、変革推進力も必要です。

例えば、年功序列からジョブ型へなどの制度変更では、不安や反発が起きがちです。

周りの不安な気持ちをなくすためにも、なぜ必要かを丁寧に伝え、納得感をつくりながら前に進める力が、変化の多い今の時代には必須のスキルでしょう。

第3層:環境適応層|企業規模・文化による役割定義の違いへの適応力

第3層「環境適応層」は、場所のルールや状況を素早く読み、スキルの使い方や役割を柔軟に変える力のことです。

人事の仕事は会社規模で大きく変わります。

会社の規模役割の特徴
大企業(1000人以上など)・「採用チーム」「給与チーム」「育成チーム」と、役割が分かれている(=分業)
・「専門家(スペシャリスト)」が求めらる
中小企業(100人未満など)・「人事も総務も経理もやります」というケースが普通(=兼任)
・広く浅く何でもこなせる「なんでも屋(ゼネラリスト)」が求められる

大企業は人・資金が豊富な一方、関係者が多く調整が複雑。

中小企業は、人・予算が限られる代わりに決裁が速く、実行力とスピードが要です。

文化や成長段階でも役割は変化します。

特に日系企業と外資系企業では、人事の戦略的役割の度合いに差が見られます

このように、企業の規模や文化でも人事の仕事に変化があるため、転職後にミスマッチを起こさないためにも、それぞれの特徴を理解しておくことが大切でしょう。

以下では、大企業や中小企業などの違いを詳しく解説しますので、環境でどのように変わるのかを把握してください。

大企業人事【専門性と戦略性のプロフェッショナル】

大企業の人事部は、例えるなら「大きな総合病院」のようなもの。

内科、外科、眼科と専門の先生が分かれているように、人事部の中でも仕事内容によって役割が分かれています。

多くの大企業では、「3つの機能(3ピラーモデル)」と呼ばれるチーム編成をとっています

CoE
(シーオーイー)
ルールや戦略を作る「頭脳チーム」会社の新しい評価制度や、グローバル共通の給料ルール、採用の全体戦略などを設計する専門家集団
HRBP
(エイチアールビーピー)
事業部の「右腕チーム」営業部、開発部など、それぞれの事業部門に専属でつき、「どうすれば、そのビジネスが人の力で成功するか」を一緒に考える戦略パートナー
HR Ops
(エイチアールオプス)
日々の実務を担う「実行チーム」給与計算、社会保険の手続き、入退社の管理など、会社の土台となる業務を正確に動かすプロフェッショナル

このように、担当する仕事が細かく分かれているため、自分の担当分野を「狭く、深く」追求する「専門家(スペシャリスト)」として成長していくのが、大企業の人事の特徴です。

また、大企業の人事には、2つの非常に高い能力が求められます。

  1. 深い専門知識と戦略的な視点
  2. 複雑な「調整力」

「給与計算ができます」というレベルではなく、「会社が別の会社を買収(M&A)する時の、複雑な人事ルールをゼロから設計」したり、「世界中の支社で共通の給料ルールを作る」といった、非常に高度で専門的な知識が必要。

常に「会社全体にとって、数年後はどうあるべきか?」という長期的な視点で物事を考えます。

そして、知識と同じくらい重要なのが、「調整力」です。

大企業は、経営トップや部署の部長たち、時には労働組合など、関係者がとにかく多いのが特徴です。

どんなに正しいルールを作っても、関係者全員の意見や利害がぶつかるため、そのままでは通りません。

関係者の顔を立てつつ、うまく話を通すための丁寧な根回しや、粘り強い交渉力が、成果を出すために必要になります。

具体的な仕事内容は、以下の事例を参考にしてください。

大企業人事【専門性と戦略性のプロフェッショナル】

大企業でのキャリアは、主に次の2つの道が一般的です。

  • 採用、制度設計、労務など、特定の分野をとことん極める「専門家(スペシャリスト)」の道
  • HRBPとしてビジネスの最前線で活躍し、チームをまとめる「管理職(マネジメント)」を目指す道

自分がどの道を目指すかを考え、キャリアプランを設計してみてください。

中小企業人事【汎用性と実行力で経営を支えるゼネラリスト】

大企業の人事が「大きな総合病院」だとすれば、中小企業の人事は「町のかかりつけ医」、あるいは「一人で切り盛りする万能な店主」に似ています。

中小企業の人事を取り巻く環境には、大企業と全く違う特徴があります。

環境特徴
リソースが限られている使える人手や予算が少ない
「なんでも屋」が基本専門人事より、他部門と兼任が多い
意思決定が速い経営者との距離が近く、決裁が早い

中小企業で活躍するために必要なのは、大企業とは違う能力です。

  • 「広く浅く」の万能さ(ゼネラリスト)
  • スピード感と実行力

また、「数年先の戦略をじっくり練る」ことよりも、目の前の課題に即対応できる「実行力」と「スピード感」も大切です。

今、多くの中小企業が直面している「人手不足」や「社員に辞めさせない(人材定着)」といった課題に、いかに素早く手を打てるかが勝負になります。

具体的な仕事内容は以下を参考にしてください。

このように「なんでも屋」として人事全般の経験を積むことで、将来的には「管理部門全体」の責任者を目指せるでしょう。

スタートアップ人事【柔軟性と臨機応変な対応で組織を創る変革者】

スタートアップは、事業の成長スピードが速く、組織の状態も日々めまぐるしく変わります。

スタートアップの人事の職場環境は、大企業や中小企業とは全く異なります。

環境状況の特徴
ルールや仕組みがない・手探りで仕組みを作る必要がある
・判断や運用が人に依存してブレやすい
スピード成長の裏で課題も連鎖的に出てくる・人数が30→50→100人と増えるたびに“組織の壁”が発生
・社長の考えが現場に伝わりづらい
・部署間の連携不足など課題が噴出

この変化の多い環境で、人事が果たすべきミッションは大きく2つ。

  1. 採用
  2. 組織構築

スタートアップでは、事業成長についてこられる優秀な仲間を、とにかく早く集めなければいけません。

また、社員が急に増えてバラバラにならないよう、「ウチの会社はこういうチームだ」という共通の価値観を作り、同時に、最低限のルールや仕組みを何もないゼロの状態から創り上げる必要があります。

スタートアップは、状況が日々変わるため、決まったやり方にこだわる人には向きません。

「『前の会社ではこうだった』は通用しない」と割り切り、状況に合わせて臨機応変に対応できる柔軟さとスピード感を持って対応しましょう。

「ルールがないから動けない」ではなく、「ルールがないなら作ろう!」と自ら手を挙げて課題を解決していく当事者意識が何よりも求められます。

スタートアップの具体的な人事の仕事は、以下の画像を参考にしてください。

スタートアップ人事【柔軟性と臨機応変な対応で組織を創る変革者】

スタートアップの環境を活かせるキャリアは、主に2つです。

  • 会社の急成長とともに自分も猛烈に成長し、人事のトップである「CHRO(最高人事責任者)」を目指す道
  • 「ゼロから組織を作った」という貴重な経験を武器に、別のスタートアップに移って、再び新しい挑戦をする道

成長スピードが早いからこそ、大企業などでは経験できない仕事にも携われるため、前向きに取り組むと将来のキャリアに活かせるでしょう。

第4層:時代適応層|AI・HRテック時代に対応する進化能力

第4層は、土台・スキル・環境適応を束ね、AIやHRテックを味方に自分を更新し続ける「進化する力」です。

AIで給与計算や勤怠などの定型業務は自動化され、人事はデータ分析や1on1など人にしかできない判断・共感・創造に集中できます。

だからこそ、デジタル理解とAIの使いこなし、結果を鵜呑みにしない批判的思考が必須

変化を恐れず、好奇心とリスキリングで学び続け、会社の変化を主導しましょう。

以下では、AIやHRテックに対応する具体的な方法を紹介します。

HRテックの進化と戦略的人材の不足

HRテックの進化は、以下の三段階です。

  1. 効率化
  2. 可視化
  3. 予測と先手

まず第1段階では、給与計算や勤怠管理などの手作業を自動化します。

第2段階は、社員のスキルや評価を一元管理し「社内にどんな人がいるか」を見える化するフェーズ。

家計簿ソフトで出入りがグラフ化されるイメージです。

そして目指すべき第3段階は、蓄積データから離職や人員不足を予測し、先回りで施策を打てる状態を目指します。

しかし、現実は効率化で満足・可視化で止まる企業が多く、調査によれば、9割以上の企業がDXを推進しているものの「社内データ活用」を目的とする企業はわずか4.9%でした。

最大の原因は、人材不足

分析のプロ(データサイエンティスト)と、結果を人事戦略に翻訳する橋渡し役(HRBP等)が足りないのです。

解決には専門人材の採用・育成に加え、人事全員のデータリテラシー底上げが不可欠です。

勘頼みから、根拠に基づく意思決定ができる人事を目指しましょう。

AIを使いこなす技術的スキル

生成AI(ChatGPTなど)の登場で、人事の仕事は劇的にラクになる可能性を秘めています。

すでに日本の人事の約7割が活用を始めており、最も多い用途は会議の議事録要約です。

AIは、超優秀なアシスタント

法改正ポイントの要約、長時間会議の3行サマリー、求人票や社内ルールのドラフト作成、アンケート自由記述の分類や満足度データ分析の下ごしらえまで任せられます。

ただし、使いこなすには以下の4つの技術が必要です。

  1. 狙い・役割・条件・出力形式まで具体化する指示(プロンプト)力
  2. ハルシネーションやバイアスを見抜き、鵜呑みにしないAIリテラシー
  3. 因果と相関を混同しないデータリテラシー(データの背景要因を読む力)
  4. 機密を守るセキュリティと倫理観

「これはAIに読み込ませて良い情報か?」を判断する厳しいセキュリティ意識と、社員を「公平」に扱う倫理観が、AI時代にはますます重要になります。

AIに代替されない人間的な資質

AIは、データ分析や定型業務の自動化が得意な「超高性能なアシスタント」です。

一方で、技術が進むほど、人事にはAIに代替できないヒューマンスキルの価値が増しています

経済産業省が公表した「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方2024」でも、生成AIが普及するほど、創造性の高い役割や新サービス創出(イノベーション)が重要になると示されています。

具体的には、以下の4つの力が必要です。

  • 問いを立てる力 (創造性)
  • 共感力 (感情的知性)
  • 倫理観とインテグリティ(誠実さ) 
  • 文化づくりと変革のリード 

問いを立てる力は、「何が本当の問題なんだろう?」を見抜く力です。

AIはデータを分析してくれますが、「そもそも何を解決すべきか」を決めるのは人間。

現場の状況や上司などの声から、相手の本音に共感することはAIにはできません。

また、AIが「データ上はこれがベスト」と示しても、現場の事情や見えない貢献を考えて「人として正しいか」を判断する力も人事には必要です。

会社の「ミッション(存在意義)」や「価値観」を社員に浸透させ、良い雰囲気を作っていくのはAIには不可能です。

会社が大きく変わろうとする際は、「面倒くさい」「変わりたくない」という社員の感情的な抵抗が必ず起こります。

この不安に寄り添い、納得してもらいながら前に進めるリーダーシップも、AIには代替できない、人間にしかできない大切な役割でしょう。

人事に向いていない人の特徴【客観的に自己分析をしてみよう】

紹介した4層の適正モデルの裏返しとして、人事に向いていない人の特徴があります。

客観的に自己分析をするためにも、向いていない人の特徴を把握しておきましょう。

短期的な成果にこだわる人

人事に最も必要なのは忍耐力。

特に現代の人事に求められる「人的資本経営」は、人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上を目指す経営のあり方と定義されています。

人的資本経営の成果が出るには、必ずタイムラグが生じます。

例えば、人材育成の効果は「反応→学習→行動→結果」と段階的に現れるため(カークパトリックの4段階評価法)、すぐには業績への影響を測定できません。

また、制度改正や文化づくりは数年単位のプロジェクトです。

目先のKPIだけを追うと、質より量の採用でミスマッチが増え、早期離職や現場の疲弊を招いてしまうでしょう

研修も単発の付け焼き刃になり、挑戦が評価されず、組織は保守的になります。

必要なのは、長期戦略を描きつつ今日やるべき打ち手を機敏に回し、結果が出るまで粘り強く改善を続ける姿勢

「今すぐ数値で達成感がほしい」タイプは、人事の時間軸とのズレに苦しみやすいです。

ただし「遅くてよい」という意味ではありません。

長期ゴールに紐づけて、採用の適合度や定着率、学習の実践率、制度の運用度といった先行指標を設計し、四半期ごとに検証・改善を回すスピードは不可欠です。

短期の数値と長期の価値創出を両立させる、この二刀流こそが人事の腕の見せ所です。

「結果」が実るまでには時間がかかる、ということを理解し、地道な作業をコツコツと続けられる「忍耐力」が、人事には不可欠です。

変化が苦手・学習意欲(リスキリング)が低い人

人事は「安定」ではなく、会社の中で誰よりも「変化の最前線」に立たされ、社内のルールや働き方をどんどん変えていく「チェンジエージェント(変革の推進者)」の役割を担います

ルーティンを守る役回りだと思って選ぶと、ミスマッチになるので注意しましょう。

「新しいことを覚えるのは面倒」「今のやり方を変えたくない」という安定志向が強く、学び直す意欲が低い人は、人事として価値を発揮するのが非常に困難です。

人事が「安定」とはほど遠い理由は、常に「3つの大きな変化の波」にさらされているからです。

第一に法改正への対応。

労働関連法規は、「働き方改革関連法」や「育児・介護休業法改正」、2024年の「労働条件明示ルール変更」など頻繁に改正されており、最新ルールを外せば即コンプライアンス違反という重大リスクに直結します。

第二にDXの加速で、申請はクラウド化し、データで人材を見立て、反復作業はAIに任せる時代になりました。

「デジタルは苦手」で止まれば、生産性は落ちてしまうでしょう。

第三の波は市場変化。

財務省の資料によると、ジョブ型雇用の導入を検討している企業が、39.6%に達するなど雇用システムの変化や、テレワーク等の多様な働き方も増えています。

これからの人事に不可欠なのは、2つの姿勢です。

  1. アンラーニング(あえて忘れる): 過去の成功体験や古い知識を、勇気を持って「捨てる」姿勢
  2. 学習俊敏性(素早く学ぶ): 変化を「面倒ごと」ではなく「面白いこと」と捉え、好奇心を持って素早く学ぶ力

「変化はストレスだ」「今のままがいい」と現状維持を望む人は、会社を良くする役割どころか、変化の邪魔をするブレーキ役になってしまいます。

守秘義務の意識が低く公平性・客観性に欠ける人

人事の仕事は、社員からも経営者からも「この人なら信用できる」と思われる「信頼」があって、初めて成り立ちます。

特に重要なのが次の2つ。

  1. 絶対に秘密を守る(口の堅さ)
  2. 絶対にえこひいきしない(公平さ)

もし、このどちらかが欠けているなら、どんなに優秀なスキルがあっても、人事としての適性は根本的に「ない」と言い切れます。

人事は、給与・評価・健康の悩み、異動やリストラなど会社の極秘情報に触れます。

特に健康情報などは、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」として厳格な管理が義務付けられています。

飲み会での「ここだけの話」や、関係ない同僚へのうっかり共有、私物スマホへの保存はすべてアウト。

信用が一気に崩れるだけでなく、法違反にもつながりかねません

また、公平さも同様に重要です。

採用や評価、昇進などは、社員の人生に直結する判断。

好き嫌いではなく、事実と基準に沿って透明に決める姿勢が求められます

面談メモや評価の根拠を残し、複数人でチェックし、利害があるときは関与を避けるなど、こうした当たり前を丁寧に積み上げる人が、人事に向いているでしょう。

「秘密は漏らさない」「私情は持ち込まない」この覚悟にピンと来るなら、人事はあなたの力を発揮できる舞台です。

私は人事に向いている?自己診断に役立つ最終チェックリスト

「人が好きだから人事で働きたい」という考えは素敵な動機ですが、もし「優しく人と接する仕事」だけをイメージしているなら、少し待ってください。

現実の人事の仕事には、2つの顔があります。

社員の成長を心から応援する「優しい顔(サポーター)」と、会社の未来のために、リストラや厳しい評価を伝えなければならない「厳しい顔(会社の代弁者)」です。

さらに、今の時代の人事は、ただの事務作業担当ではありません。

「どうすれば人の力で会社が成長できるか?」を経営者と一緒に考える「戦略パートナー」であり、経営者と現場の社員の“板挟みになる覚悟も必要です。

これからの人事には、「人が好き」という気持ちに加えて、「秘密を守る・公平」、「専門知識」、そして何より「心のタフさ」が求められるのです。

人事を目指す方の中には、「本当に自分に向いている?」と不安を抱えている方も多いでしょう。

以下では、人事のプロに求められる基準をもとに、4つのカテゴリで「チェックリスト」を作りました。

「今の自分」がいくつ当てはまるか、YESかNOかで気軽にチェックしてみてください。

私は人事に向いている?自己診断に役立つ最終チェックリスト

人事の適正チェックリスト

領域1:プロ意識と倫理観(一番大事な「土台」)

〜信頼・秘密保持・公平さ〜

スキル以前に「人として信頼できるか」が問われる、人事の生命線です。

□ 【秘密を厳守できる】
社員の給料、評価、病気のこと、誰が辞めるか…といった会社の「超・機密情報」を知っても、家族や親友にすら絶対に漏らさないと断言できる

□ 【えこひいきしない】
個人的な好き嫌いや感情に流されず、誰に対しても公平・公正な態度で接することができる

□ 【ルール意識が高い】
「法律(残業ルールなど)」や「会社のルール」を守る意識が人一倍強く、「バレなきゃいい」という考え方が許せない

□ 【ウソをつかない・隠さない】
もし仕事でミスをしたら、隠さずにすぐに報告し、誠実に対応できる

領域2:人間関係・調整力(人と組織の「つなぎ役」)

〜聞く力・伝える力・板挟み力〜

経営者、管理職、現場の社員…たくさんの人の「間」に立つ力です。

□ 【深く聞ける】
相手の話を途中でさえぎらずに最後まで聞き、言葉の裏にある「本当の気持ち」や「背景」を汲み取ろうと努力する

□ 【論理的に説明できる】
相手が誰(社長でも新人でも)であっても、「事実」と「自分の意見」を分けて、筋道を立てて説明できる

□ 【厳しいことも伝えられる】
相手にとって言いにくいこと(例:「評価が下がりました」「異動です」)も、感情的にならず、会社の決定として冷静に伝えることができる

□ 【板挟みが得意】
対立する2つの意見(例:社長 vs 現場)の間に入っても、両方の言い分を整理し、粘り強く「落としどころ」を探すことができる

領域3:専門知識と実務力(プロとしての「武器」)

〜正確性・知識・効率化〜

プロとして仕事を正確に、効率よく進めるための「腕前」です。

□ 【法律やルールに興味がある】
「残業代ってどう決まる?」「社会保険って何?」といった、働くためのルールや法律の基本を学ぶことに興味があ。(※未経験者は「学ぶ意欲」でOK)

□ 【地味な作業を正確にできる】
給料計算や役所への手続きなど、「1円の間違い」も許されない地味な作業を、集中してコツコツと正確にこなすのが苦ではない

□ 【段取りがうまい】
複数の仕事を抱えても、優先順位をつけて、締め切りを守って効率的に進めることができる

□ 【PCスキルに抵抗がない】
ExcelやPowerPointを使って、データを分析したり、分かりやすい資料を作ったりすることに抵抗がない

□ 【ITツールを使いこなしたい】
新しいITツールを覚えることを「面倒」と思わず、むしろ「どう使えばラクできるか」と考える方だ

領域4:戦略的思考と変化への対応力(会社の「未来」を創る力)

〜経営視点・データ活用・学習意欲〜

ただ作業をこなすだけでなく、会社の未来を一緒に創っていく視点です。

□ 【経営に興味がある】
「ウチの会社はどうやって儲けているか?」を理解し、それが「どういう人を採るか」にどう繋がるかを考えたい

□ 【根本原因を考えたい】
目の前の仕事だけでなく、「なぜ、この問題が起きるんだろう?」と組織全体の「本質的な課題」は何かを考えるクセがある

□ 【データで考えたい】
「なんとなく」や「昔からこうだから」ではなく、「データ」に基づいて「じゃあ、何をすべきか」を判断したい

□ 【「もっと良くしたい」と思う】
「前例通り」で満足せず、「こうした方がもっと良くなるのでは?」と、自分から改善案を考えるのが好きだ

□ 【勉強し続ける意欲がある】
新しい法律や、AIのような新しいトレンドを、自分から進んで学び続けることに抵抗がない

領域5:心のタフさ(「修羅場」を乗り越える力)

〜ストレス耐性・精神的成熟度〜

人事特有のプレッシャーに耐える力です。

□ 【感情をコントロールできる】
「板挟み」になったり、社員から不満をぶつけられたりしても、カッとならずに冷静に対処できる

□ 【「嫌われ役」の覚悟がある】
時には、会社のルールを守るために「ダメなものはダメ」と言ったり、厳しい決定を伝えたりする「嫌われ役」を引き受ける覚悟がある

□ 【デリケートな問題に向き合える】
ハラスメントやメンタルヘルスの問題など、人の心の奥底に関わるデリケートな問題にも、誠実に向き合おうとする

診断結果

診断結果

この診断で最も重要なのは、「領域1:プロ意識と倫理観」です。

もし「領域1」にYESがつかない(=秘密を守れない、えこひいきする)なら残念ながら、人事の仕事は非常に厳しいと言わざるを得ません。

なぜなら、スキル(領域3, 4)は後からいくらでも勉強できるからです。

「領域1」はYESだけど、領域3や4のスキル面が不安ならまったく問題ありません。

「法律の知識がない」「戦略って何?」というのは、全員がゼロからスタートします。

この診断は、あなたの「今の立ち位置」を知るための地図です。

「領域1, 2, 5(土台・人間力)は自分の強みだな」「領域3, 4(専門知識)は、これから学んでいこう」というように、自分の強み・弱みを分析してみてください。

大切なのは、「学び続ける意欲(領域4)」です。

このチェックリストが、キャリアプランを考えるきっかけになれば幸いです。

未経験から人事に向いている人になるためのロードマップ

未経験者でも、適切な手順で学習すれば人事職へのキャリアチェンジは可能です。

ミスマッチを起こさないよう、仕事内容やキャリアパス、習得するべきスキルなどを解説するので、転職する際は参考にしてみてください。

人事の仕事内容とキャリアパスを理解する

人事部門のミッションは、とてもシンプルです。

それは、会社にとって大切な経営資源である「ヒト」の価値を最大限に高めて、会社の成長を支えること。

具体的な人事の仕事は、厚生労働省の職業能力評価基準などでも整理されていますが、大きく分けると、以下の5つのチームに分かれています。

チーム役割
採用・配置チーム・会社の未来のために採用の計画を立てる
・社の魅力をアピールし(採用広報)、面接などで優秀な人材を見つけ出し、仲間に加える
・社員の強みやキャリアを見極め、最適な場所へ配置(異動)
労務管理チーム・社員が安心して働くための「土台」を整備する、「守りの要(かなめ)」
・毎月の「給与計算」や「社会保険(年金や健康保険)」の手続き、「勤怠管理」などを正確に行う
・「会社の交通ルール」である就業規則を作ったり、社員の心と体の健康(安全衛生)を守ったりするのも大切な役目
人事制度企画チーム・社員がやる気を出し、会社が成長するための「仕組み(ルール)」を設計
・「評価制度」「報酬制度」「等級制度」の3つを整備
人材開発チーム・社員のスキルや能力を高める「育成」を担当
・新入社員研修や、管理職向けのリーダー研修などを企画・運営する
・面談やリスキリング支援も行う
組織開発チーム・組織全体の問題を解決するチーム
・社員アンケートで「働きがい」をチェックし、風通しの良い強いチームを作る
・会社の「夢(ビジョン)」を浸透させたり、いろんな人が活躍できる環境を作ったりするのも仕事

昔の人事は、上記の「労務管理」のような、事務作業が仕事の中心でした。

しかし今は、「人を財産と考えて、投資し、価値を高めよう」という考え方が世界のスタンダードになりました。

結果、人事はただの事務担当ではなく、経営者と一緒に会社の未来を考える「戦略パートナー」へと、役割が大きく変化しています。

変化に対応するため、特に大企業では、人事部を以下のような3つのチームに分けて、より専門的に動く会社が増えています。

CoE
(シーオーイー)
・頭脳チーム(専門家集団)
・採用、労務、制度設計などのプロ中のプロ集団
・会社全体の新しいルールや戦略を設計する
HRBP
(エイチアールビーピー)
・事業部の右腕(戦略パートナー)
・営業部や開発部など、特定の事業部門に専属でつき、「どうすれば、そのビジネスが人の力で成功するか」を、現場のトップと一緒に考え実行する
Ops
(オプス)
・実務部隊(オペレーション実行)
・給与計算や社会保険の手続きなど大量の事務作業を、正確かつ効率的に実行するチーム

表のように、人事は会社にとって重要な役割を担うようになりました。

仕事内容を把握しておき、自分がどのようなキャリアを歩みたいか考えてみましょう。

もし未経験から人事を目指すなら、以下の 代表的な3つのキャリアがおすすめです。

パターン特徴キャリア例(初期/中期/後期)
スペシャリスト採用・労務・制度設計などのいずれかに特化し、法律やデータ分析など誰にも負けない専門知識で貢献初期(1〜3年目):
給与計算・社保実務を担当し労働法の基礎を徹底習得

中期(4〜7年目):
法改正対応やトラブル解決を主担当として専門性を深化

後期(8年目〜):
CoEで全社の働き方改革プロジェクトをリード
ジェネラリスト採用・労務・制度などを幅広く経験し、人事部長やCHROを目指して全体最適を指揮初期(1〜5年目):
採用と労務を経験し人事の基礎を横断的に習得

中期(6〜10年目):
ローテで制度企画・人材開発も経験、リーダーとして育成

後期(11年目〜):
人事部長として経営と対話し人事戦略を統括
HRBP事業理解を武器に、現場課題を人の側面から解決し事業成長に直接貢献初期(1〜5年目):
特定事業部の採用を徹底支援し、ビジネス構造と要件を深く理解

中期(6〜10年目):
専属HRBPとして部門長の右腕となり離職率など現場課題を解決

後期(11年目〜):
上級HRBPとして複数事業部を束ね、経営会議で事業戦略に提言

ここまで見てきたように、「人事」と一口に言っても、その仕事内容やキャリアは非常に多様です。

人事に必要な基礎知識を習得する

人事の仕事と聞くと、採用や研修をイメージする方も多いでしょう。

しかし、人事の知識には大きく分けて2つの側面があります。

  1. 採用、育成、制度設計など、会社の未来を創る知識
  2. 法律の遵守、給与計算、労務管理など、会社と社員を守る知識

未経験のあなたが最優先で学ぶべきは、法律の遵守や給与計算、労務管理など、会社と社員を守る知識です。

その中でも人事が取得するべき知識は、「労働基準法」です。

労働基準法は、社員を守るための最低限のルール。

全部を丸暗記する必要はありません

まずは大枠をつかみましょう。

項目内容会社の義務
労働時間原則1日8時間・週40時間まで限内で勤務時間を管理する
休憩・休日法定休憩・法定休日(例:週1日以上の休日)を付与就業時間に応じた休憩付与、最低限の休日確保
残業(時間外労働)36協定を労使で締結し、所轄官庁へ届出が必要残業をさせたら割増賃金(残業代)を支払う
有給休暇社員に与えられた休む権利取得できるように管理・運用し、取得を妨げない

次に大事な知識は、社員の生活に直結する「お金」のルールです。

項目主要ルール・内訳人事の役割
給与賃金支払いの5原則
1. 通貨で支払う(※現在は口座振込が主流)
2. 直接本人に支払う
3. 全額を支払う(※税・社保料の控除は可)
4. 毎月1回以上支払う
5. 一定の期日に支払う※違反は法律違反
・支給日・方法・控除の設定と運用を厳守
・未払い・遅配・違法控除が起きないよう給与計算と承認フローを整備
社会保険強制加入の保険制度・健康保険(病気・ケガ)・厚生年金(老後の年金)・雇用保険(失業時の給付)・労災保険(業務上の災害)・介護保険(40歳以上が加入)・入退社・育休等の発生時に資格取得/喪失、給付申請などの手続きを正確・期限内に実施
・従業員に制度内容と手続き案内を周知・サポート

人事として働く際は、表の労働基準法やお金のルールを把握しておきましょう。

2つの知識が人事の仕事の土台になります。

基本が固まったら、いよいよ採用や育成、制度設計など、会社の未来を創る知識です。

どうやって会社を強くしていくかを学びましょう。

内容流れポイント
採用活動のフロー1) 計画:どんな人が欲しいかを定義
2) 募集:どうやって見つけるか(媒体・手法)
3) 面接:どう見極めるか(選考設計)
4) 内定・入社後:受諾~オンボーディングまでフォロー
・各工程は前後で連動
・計画の精度が募集と選考の質、定着率に直結
人事制度の「つながり」等級(例:リーダー)→ 評価(役割目標の達成度)→ 報酬(給与水準の決定)・仕組みの全体像理解が重要
・いずれか単独で運用すると不整合や不公平感が生じやすい

ここまで紹介した知識を、断片的に学んでも実務では使えません。

「全体像」を把握することが大切です。

把握するのに役立つのが、厚生労働省が公開している「職業能力評価基準」です。

職業能力評価基準は「人事のプロには、こういう知識やスキルが必要ですよ」という国が作ったリストのようなもの。

リストを参考にすれば、「自分は今、地図のこの部分を勉強しているんだな」と、知識を整理しながら学ぶことができます。

これまで人事に必要な知識を紹介しましたが、最も重要なのは、「法律は、毎年のように変わる」という事実。

古い知識のまま仕事をするのは、とても危険です。

新しい情報を常にキャッチアップし、学び続けることこそが、人事担当者にとって一番大切な「義務」であり「スキル」なのです。

未経験者だからこそアピールできる現職での経験を棚卸しする

人事の仕事は、未経験でも可能です。

法律などの専門知識は必要ですが、現代の人事は、昔ながらの事務作業(管理部門)だけではありません。

経営者と一緒に会社の未来を考える「戦略パートナー」としての役割が、今まさに求められています。

そこで不可欠なのが、「ビジネス(事業)への理解」と「現場で働く人のリアルな視点」。

特に、事業部門のパートナーであるHRBP(戦略人事)には、「ビジネスに関する知識・理解力」が重要だと挙げられています。

人事未経験であっても、他職種で培ったビジネスの現場経験は、現場の状況に適した人事施策を立案する上で強力な武器となり、大きな強みといえるでしょう。

人事に必要なスキルは、大きく2種類に分けられます。

スキル主な中身・例習得のポイント
専門スキル労働基準法社会保険給与計算人事評価の仕組み など・入社後でも猛勉強と実務経験でキャッチアップ可能
・法改正の定期フォローが必須
ポータブルスキル傾聴力(相手の課題を聞き出す)論理的思考力(物事を整理して考える)推進力(人を巻き込む)など
 ※厚生労働省の定義 等
・日常業務での意図的練習、振り返りで強化
・異動や転職でも再現性高く活きる

未経験から人事に挑戦する際、専門スキルで勝負する必要はありません。

大切なのは、今持っている「ポータブルスキル」が、人事の仕事でいかに役立つかをアピールすることです。

アピールは、簡単な3つのステップで行います。

ステップ目的やること具体例ゴールイメージ
ステップ1:
経験の棚卸し(具体化)
自分の実績を客観的に言語化する過去の成功体験をSTAR法で書き出すSTAR法
S(Situation):どんな状況で?
T(Target):どんな目標・課題があり?
A(Action):あなたはどう行動し?
R(Result):結果どうなった?
STARで整理された具体的エピソード
ステップ2:
スキルの抽出(抽象化)
具体エピソードから再現性のある強みを取り出すエピソードに内在する「武器(スキル)」を抽出例:「反対していたAさんを説得し、プロジェクト成功」
抽出:粘り強い交渉力、課題発見力
スキルリスト(強み/裏づけとなる事例つき)
ステップ3:
人事の仕事へ接続(翻訳)
抽出スキルを人事業務に転用する道筋を示す抽出スキルがどの人事業務で活きるかを紐づけ例:交渉力 → 採用面接での魅力づけ(入社意欲の醸成)/社内の利害調整「スキル × 活用場面」対応表(応募者対応・調整業務 等)

経験を棚卸しすると、人事で使えるアピールポイントが見つかります。

表を参考にし、経験の棚卸しをしてみてください。

また、以下では、代表的な職種からどのようにアピールするか具体例を紹介します。

職種カテゴリ経験(強み)人事への活用例
営業・接客・販売系・顧客のニーズを引き出す傾聴力
・難しい相手との交渉力・調整力
・社員の「本音」を聞き出す面談スキル
・採用候補者を口説き落とす魅力づけ
・経営と現場の板挟みを解決する調整役
企画・マーケティング系・市場・数値を分析するデータ分析力
・プロジェクトを管理・推進する実行力
・離職率や社員満足度を分析
・新しい研修や人事制度の企画・導入の推進力
管理・事務系(経理・総務など)・ミスなく正確に処理する業務遂行能力
・非効率を見直す業務改善スキル
・1円のミスも許されない給与計算
・社会保険手続き
・採用業務や入社手続きのフロー改善
技術・専門系(エンジニア・デザイナーなど)・複雑な問題を分解する論理的思考力
・必要な機能を定義する要件定義スキル
・公平でロジカルな人事評価制度の設計
・新しいITツール(HRテック)導入時の導入条件と運用ルールの設計

経験を「棚卸し」し、人事の言葉に変えてアピールすることで、未経験という不安は「最強の武器」に変わります。

面接でアピールすべきは、「ゼロから勉強します!」という意欲だけではありません。

「私は現場を知っています。営業(や企画)の最前線にいたからこそ分かる現場のリアルな課題を、人事という立場で解決したいんです」という「現場視点」こそ、今の人事が最も求めている価値です。

転職エージェントの力を借りて理想の企業探しをする

未経験で人事に挑むなら、独力より「転職エージェント」を賢く使うのが最短ルートです。

企業側は「未経験者を採用しても、教える時間や人が足りない…」と心配しているため(※出典:2024年版「中小企業白書」)、未経験からの人事転職は、独力で戦うには難しいのが現実。

18歳~29歳の正社員は、年々転職エージェントを利用する人数が増えています

特に「未経験」だからこそ、転職エージェントを使用することでメリットがあります。

  • 求人票じゃ分からない「会社のウラ事情」が知れる
  • あなたの経験を「人事の言葉」に翻訳してくれる

転職エージェントを使う最大のメリットは、求人票だけでは見えない「会社のウラ事情」を教えてくれることです。

ひとりで活動すると手に入るのは表の情報に限られますが、転職エージェントは採用の背景や人事部のリアルな雰囲気まで把握しています。

例えば、「未経験OK」の理由が、本気で育成するポテンシャル採用なのか、急な欠員補充で誰でも良いのかでは、入社後の体験が大きく変わるでしょう。

こうした内情を知らずに入社して「こんなはずじゃなかった…」とミスマッチを起こさないよう、事前に必要な情報を提供してくれるのです。

もう一つのメリットは、あなたの経験を「人事の言葉」に翻訳してくれること。

例えば「営業で愚痴をよく聞いていた」という自己評価も、プロの視点なら傾聴力と調整力として整理され、社員面談や経営と現場の利害調整に直結する強みとして打ち出せます。

転職エージェントはこの翻訳を踏まえ、企業へ提出する推薦状で説得力あるアピールに仕立ててくれるほか、「人事向けの職務経歴書」の作成や「面接対策」まで一貫してサポートしてくれます。

転職エージェントは、「総合型」と「特化型」を使い分けましょう

まずは求人数が圧倒的に多い総合型に登録し、世の中にどんな求人があるかを広く把握します。

リクルートエージェントやdodaのようなサービスがおすすめ。

次に、人事や経理といった管理部門に特化した特化型を併用し、企業の内情や募集の背景といった深い情報を得ます。

例としてはMS-Japanやヒュープロなどが挙げられます。

特にヒュープロは、管理部門に強い転職エージェントなので、他業種からの転職におすすめです。

求人数も多いため、自分の希望にあった職場が見つけやすいでしょう。

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おすすめの戦略は、総合型を2社と特化型を1社の合計2〜3社に登録すること。

情報量の多さと専門性の高さを同時に確保でき、ミスマッチを避けながら効率よく選択肢を広げられます。

転職エージェントを利用する際は、「なぜ人事を目指すのか」を明確にしましょう。

初回面談で「とりあえず人事で」と伝えると、とりあえず内定が出やすい求人ばかりが並びがちです。

志望動機や目指すキャリア像をはっきり示せば、紹介の質が大きく変わります。

また、キャリアアドバイザーに違和感を感じたら担当者を変更してください。

いい転職先を探すためには、担当者との相性も重要です。

自分のキャリアのためにも、遠慮なく変更をし人事として活躍できそうな求人を探しましょう。

まとめ|自分が人事に向いている人がどうかは4要素の掛け合わせ次第!

人事に向いているかは「4つの層」の掛け算で決まります。

  1. 倫理観と信頼性(守秘・公平)=土台
  2. ポータブルスキル(傾聴・論理・調整・やり切る力)=未経験の最大の武器
  3. 専門知識(労基法・給与・採用運用)=入社後に伸ばせる
  4. 戦略的思考(事業理解・データ思考・変革推進)=今いちばん評価される力

理想像は「信頼される行動家」と実行・戦略を両立する人です。

現場出身者は、戦略的思考のビジネス視点とポータブルスキルの実行力を既に持っているので有利です。

足りないのは学べば埋まりますが、倫理観と信頼性が会社文化と合わないと苦しくなってしまうので注意しましょう。

人事として活躍するためにも、学び続ける姿勢は忘れてはいけません。

まずは自分の経験を人事用にアピールできるよう棚卸しし、強みが生きる領域(採用・労務・HRBP等)を選び、労基法など守りの基礎を学びましょう。

人事に転職する際は、ヒュープロのような転職エージェントを利用するのもおすすめ。

管理部門特化の転職エージェントなので、自分の強みを活かしつつキャリアアップできる求人を紹介してくれます。

「人事で会社をよくしていきたい」「経営に携わりキャリアアップを目指したい」方は、本記事を参考に戦略を立てて人事を目指してください。

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