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コンサルタントコラム

商談からなかなか成約に繋がらないという悩みは、多くの営業チームがもっている悩みだと思います。
それなりに成約率に満足している営業チームでも、当然ながらより高い成約率が達成できるのであれば、それに越したことはないはずです。
今回は成約率の上げ方にフォーカスを当てて紹介していきますので、現状悩んでいる営業チームも、そうでない営業チームも、これまでよりも強い営業チームになるよう参考にしてもらえればと思います。
営業・商談の成約率とは
まず、そもそも成約率とはどのようなものなのかという観点について見ていきましょう。
営業成約率の計算方法
そもそも成約率とは、以下のように算出します。
成約数÷商談数=成約率
成約数や商談数は所定の期間でカウントします。
1ヶ月単位など、売上成績の締め期間に合わせることが多いわけですが、これにより、一定期間の営業活動の効率がどうだったのかを把握することができます。
これ以降の成約率は、売上の締め期間で採用されることが多い1ヶ月単位の成約率と捉えて読み進めてください。
あるべき成約率の求め方
成約率は業界や商材によって、理想とすべきパーセンテージが変わってきます。
具体的にどれくらいのパーセンテージで考えれば良いかは、以下のように考えてください。
そもそも、一人の営業スタッフが毎月100万円ほどの売上を上げられなければ、その営業活動は続けられません。
なぜなら、よく言うように、営業スタッフは給料の3倍は稼がないと経営が立ち行かなくなるからです。
よって、最低限必要な成約数は以下の計算式で求められます。
100万円÷平均成約単価=最低限必要な成約数
一方、1ヶ月を20営業日とした際、1日あたりに何件の商談を入れることができるのかは、業界によって変わってきます。
ルートセールスで多くの取引先を回ったり、飛び込み営業を行ったりするような業界では1日あたりの商談数は多くなるでしょう。
逆に、問い合わせ対応からの商談が多かったり、個別に提案書を作らないといけなかったりするような業界では、1日あたりの商談数はなかなか伸びないはずです。
よって、以下の計算式が成り立ちます。
1日あたりの平均商談数×20営業日=1ヶ月の最大商談数
ここから、以下の計算式であるべき成約率が求められます。
最低限必要な成約数÷1ヶ月の最大商談数=あるべき成約率
実際には、100万円以上の売上目標が設定されていることもありますし、最大商談数が達成できず行動量が足りなくなるときがあるかもしれません。
よって、あるべき成約率とは、あくまで理論上であり、実際にこの成約率を上回るように意識していく必要があります。
商談化率の平均値
商談からいきなり成約する商材はまれです。
多くの場合、提案書を書いたり、デモを行うなど、中間工程が発生します。
うまく機能している営業チームでは、30~50%の商談でこのような初回商談の後の中間工程に進んでいるケースがほとんどです。
このパーセンテージを下回ると、なかなか次に進まない商談のほうがはるかに多くなりますから、営業スタッフの商談に迷いが出て、更に中間工程に進まないという悪循環に陥りやすくなります。
逆に、このパーセンテージを上回るということは、ニーズの高い厳選した相手とのみ商談をしている状態です。
早晩、そのような相手を刈り取りきってしまうか、より多くの成約を求めて間口を広げた結果、30~50%程度に落ち着いていきます。
成約率を上げる方法
成約率の算出方法や捉え方がわかったところで、実際の上げ方に話を移していきましょう。
営業プロセスの可視化
先程も述べたように、商談からいきなり成約することはまれです。
ほとんどのケースで中間工程が発生するわけですが、その成約に至るまでの営業プロセスを可視化しましょう。
具体的には、以下のように可視化します。
初回商談 → 提案書提出 → デモ実施 → 成約
このように可視化し、各営業スタッフの日々の営業活動でそれぞれのステップを何件実施したかをカウントしていきます。
そうすると、例えば、提案書提出からデモ実施まで極端に数字が落ち込む営業スタッフが発見できます。
これにより、誰がどこでつまずいているのかを正確に把握できます。
加えて、他の営業スタッフと比べて明らかに高い確率で次のステップに進んでいる営業スタッフを発見できることもあります。
このような場合は、その営業スタッフに何か独自のことを行っていないかをヒアリングし、そこから抽出したノウハウを全メンバーに共有するのはもちろん、営業資料にも反映し、全員のノウハウにしていきます。
このように営業プロセスの可視化は、つまずいているところの把握と営業ノウハウの展開という一石二鳥の効果がある施策です。
営業における個人売上目標の設定
売上目標をチーム単位でしかつけていない場合、個人ごとに売上目標をつけるところまで落とし込みましょう。
人は弱い生き物です。誰かが頑張ってくれるかも、と思える状況では、どうしても甘えが浮かびます。
「全員の合計額で達成するのはもちろんだけど、そのためには、全員が自分の個人分を達成することが重要である」という意識を営業チームに浸透させてください。
また、個人ごとの売上目標に落とし込む際、本人が「達成できる!」と思えているかが重要です。
人は達成確率50%の目標に対して一番やる気が出ると言われます。
50%になっているか、それぞれの営業スタッフの表情を見ながら判断しましょう。
マニュアルやトークスクリプトによる営業の標準化
営業スキルには個人差があります。
その個人差を放置してしまうと、できる人だけずっと売上目標を達成し、できない人は売上目標を達成できない上に、できる人を真似ようにもその人独自の営業スタイルになっており真似できない、という状況が発生する可能性が高いです。
最悪なケースでは、営業成績が良くない人が退職してしまうのはもちろん、新しい営業スタッフを採用しても一向に定着しないということが発生します。
このような事態を防ぐには商談の流れをしっかりマニュアル化するとともに、どのような場面でどのようなトークを展開すべきかというスクリプトの作成が必要です。
また、口頭だと、言い忘れたり言葉通り伝わらないということも発生し得ますので、必ず伝えたいことは営業資料に記載し、文字としてしっかり伝えるということも重要です。
クロージングテクニックの共有
提案を行い、相手からの反応が概ね良好だったとしても、発注しようという最後の意思決定まではもうひと段階超えなければならないハードルがあります。
いわゆる「背中を押す」というやつですが、この背中の押し方はロジックではなく言い回しや雰囲気が重要だったりします。
「だいたい皆さん、早く導入しないとこれはまずいですね!という雰囲気になるんですよねぇ~」だったり、つまりは、テキストベースの言語化が難しく、実際に上手い人に口に出してもらったりすることが重要だったりします。
そのようなクロージングテクニックを営業スタッフ同士で共有し合う文化が醸成されていれば、上達も早く成約率の向上にも寄与します。
顧客管理ツールの活用
ある営業スタッフが商談を行い、そこで聞き出した重要な情報を事前にわかっていれば、期間を空けて別の営業スタッフが営業したときに成約した可能性が高い。
そんなことが起こってたらもったいないですよね。
もったいないという観点とは逆に、ある営業スタッフがまさに成約間近なところに別の営業スタッフが営業してしまったことで、「情報連携ができていない企業に発注はしない」と失注するということもありえます。
顧客管理ツールを導入し、このような事態を防ぐことは成約率向上には重要な要素です。
営業力向上の研修実施
エース営業スタッフのノウハウを十分に展開すれば、それなりに営業スタッフの育成は社内だけでも進むと思います。
しかし、そこに閉塞感がある場合、外部の営業研修を受けてみるのも一つです。
研修を受けたことにより、営業力が向上する可能性があることはもちろんなのですが、あまり効果がないという結果になることもあると思います。
それはつまり、感じていた閉塞感が営業力によるものではないということです。
営業力としては十分だが、商品の競合優位性が下がっているなど、他の原因が考えられます。
そのような分析を行うためにも、必要に応じて営業研修を考えるのも一つです。
成約率が上がらない場合によくある課題
色々と取り組んでいるはずなのに成約率が上がらない場合、以下のようなことが起こっている可能性が高いです。
営業活動が属人化している
営業の標準化のどころでも触れましたが、営業活動の属人化は成約率をみるみる下げていきます。
どのように下げていくのかというと、以下のようなプロセスです。
営業活動が属人化する
→ 営業のやり方がバラバラなので他の営業スタッフのノウハウを実行しにくくなる
→ 営業成績にバラつきが生まれ、成績が低いスタッフが解決の糸口が見つからず停滞する
→ 営業成績が低いスタッフが離職し、属人的で稼げる営業スタッフばかりになる
→ 新人営業スタッフが入っても、先輩の営業のやり方がバラバラなのでなかなか育たない
→ もともと稼いでいた営業スタッフが自分たちだけ頑張ってると不満を募らせはじめ、モチベーションが低下する
→ モチベーションが低下して成績が下がっても、属人化しているので上司は何をテコ入れしていいかわからない
営業活動の属人化がいかに恐ろしいことか、ご理解いただけましたでしょうか?
BANT 情報を把握できていない
BANT情報とは、
Budget(予算)・Authority(決裁権)・Needs(必要性)・Timeframe(導入時期)
以上の頭文字を取った言葉です。
見てお気づきだと思いますが、BANT情報がないまま提案をしてもズレた提案になることは間違いありません。つまりは成約しません。
よって、商談にてBANT情報をきちんと聞き出せているかという点は営業チームのマネジメントをする立場の人はしっかり確認する必要があります。
ただし、注意点としては、BANT情報は非常にセンシティブな情報ですので、嘘を言われてしまう可能性があることです。
本当はもっと予算があるのに、少ない金額を伝えられると言ったケースです。
そのような事態を防ぐためには、商談相手としっかり関係性を構築し、「この人には本当のことを伝えてきちんとした提案をもらうほうがメリットがある」と思わせることが重要です。
そのような商談ができるようにしっかりとトレーニングしましょう。
アプローチする顧客の優先度が決まっていない
営業資料をしっかり整備したり、商談で話すことをスクリプトにして標準化したり、商談のトレーニングをしたりしても、どのようなターゲットに営業をかけるのかが営業チーム内で統一されておらず、営業スタッフがそれぞれバラバラのターゲットに営業をかけると、相手が違えば反応も違いますから、ノウハウ共有の意味がなくなってしまいます。
どのようなターゲットにまずはアプローチし、そこをやり尽くしたらこのターゲット、など、アプローチ先の優先順位は営業マネジメント側で決定し、足並みが揃った営業活動を行いましょう。
顧客情報の共有ができていない
顧客管理ツールの活用の項目でも触れましたが、顧客への対応履歴が共有されていないと、成約できた顧客の取りこぼしはもちろん、無用なクレームも起こしてしまう可能性があります。
顧客情報の共有は、成約率を高く維持するために絶対的に必要であると認識してください。
今すぐできる!商談成約率を上げる方法
最後に、すでに営業活動を走り出している企業がどのような順番で取り組むことで成約率を上げれるか、ご説明します。
営業プロセスを統一する
すでに営業活動が走り出しているわけですので、初回商談から成約までのプロセスをそれぞれの営業スタッフがイメージしていると思います。
そのイメージを全員で共有し、統一します。
【統一する】ということは、今後はそれ以外のプロセスを許さないということです。
そこまで厳しくするのには理由がありますが、次のステップ以降でご説明します。
営業プロセスの各ステップをカウントする
プロセスを統一し、各営業スタッフがどのステップをどれだけ消化したのかをカウントすると、誰がどのステップでつまずいているかがわかるようになります。
そこに対して、そのステップをうまくこなしている営業スタッフのノウハウを注入することで成長スピードが速くなり、成約率の向上がもたらされます。
営業資料のテンプレート作成
営業プロセスを統一し、各ステップをカウントして乗り越え方のノウハウを共有すると、「このステップはこの言い回しが最強!」といったやり方が見つかってくると思います。
それを営業資料としてテンプレート化します。
こうすることで、その最強の言い回しがテキストで確実に相手に伝わるようになり、全員一緒に営業効率の改善がもたらされます。
逆を言えば、営業資料の勝手な改変を禁止することが重要です。
営業資料の勝手な改変は、勝手な営業のやり方と同義です。
つまりは属人化への入口なので、注意しましょう。
社内ロープレの実施
ここまでのことが揃ったら、営業スタッフ全員でいい意味で同じような営業手法で営業している状態が整います。
それ以降の差は、どれだけ営業資料を使いこなせるかの差であり、どれだけ次のステップにスムーズに誘導できるのかの差なので、その辺りを営業スタッフ同士でロープレを行うことで平準化していきます。
成約率向上をアップさせよう
いかがでしたでしょうか?
ここでご紹介したことを実践することで、成約率の向上がkならずもたらされるはずです。
ぜひお試しください。
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