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コンサルタントコラム

昨今、マーケティング用語でよく耳にするインサイドセールスについて、同様によく聞くテレアポとの違いも絡めながら徹底的に解説します。
いまさらどんな意味か聞けないと思っていた人もこれを読めば瞬時に理解できます。
インサイドセールスとは
マーケティング用語でインサイドセールスという言葉をよく聞くと思います。
この対になる言葉が、フィールドセールスです。
それぞれ、以下のような意味があります。
フィールドセールス:いわゆる外回り営業スタッフ。昨今では、オンラインでの商談も一般化されているので、商談担当営業スタッフという意味合いが正確。
インサイドセールス:内勤営業スタッフ。アポ取りやアフターフォローなど、フィールドセールスが商談に集中できるようにするための各種業務を行う。
このように、インサイドセールスとは、「外回り営業スタッフをサポートするための内勤営業スタッフ」と理解するとほとんどの場面で認識に相違が出ないでしょう。
テレアポとは
次に、テレアポという言葉もマーケティング用語でよく聞くと思います。
こちらは、テレフォンアポイントメントの略称で、商品やサービスを営業するための商談機会のアポイントを電話で獲得する業務を指します。
同じような言葉にテレマーケティングというものがありますが、こちらは電話を使ったマーケティング活動のことです。マーケティング活動には、アンケート収集、資料請求獲得なども含まれますので、テレアポとはテレマーケティングの中にある業務の一つという理解をしておくと良いです。
インサイドセールスとテレアポの違いとは?
インサイドセールスとテレアポという2つの言葉。
似たような場面で使われることが多いです。しかし、当然ながら、この2つの業務、言葉には違いがあります。
繰り返しますが、インサイドセールスとは、「外回り営業スタッフをサポートするための内勤営業スタッフ」のことです。
一方、テレアポとは、「商品やサービスを営業するための商談機会のアポイントを電話で獲得する業務」のことです。つまり、テレアポとは、インサイドセールスに従事する人が行う業務の一つなのです。
インサイドセールスとテレアポが混同しやすい理由
テレアポとは、インサイドセールスに従事する人が行う業務の一つであると説明しました。
しかし、明確に業務(テレアポ)と人(インサイドセールス)の違いがあるのに、なぜよくこの2つの言葉は混同されるのでしょうか?
答えは、インサイドセールススタッフの業務のほとんどがテレアポになっているからです。
電話で直接見込み顧客に連絡を取り、そこで生まれる会話にて入手できる情報がインサイドセールス業務において非常に貴重なのです。よって、インサイドセールス業務の内訳の多くがテレアポとなりがちで、だからこそ世の中的にインサイドセールスとテレアポという言葉が混同されてしまいます。
インサイドセールスの主な役割
具体的にインサイドセールスがどのような業務を担うのかを見ていきましょう。
大きく分けて3つの業務を担います。
アポイント獲得
フィールドセールスが商談を行うためのアポイントを獲得します。
全く接点のないホワイトリストや、入ってきた問い合わせや資料請求、過去顧客などを含むハウスリスト、といったリストに対してテレアポを行い、アポイントを獲得していきます。
アポイントを獲得した際は、フィールドセールスのスケジュールも確認し、空いているところにどんどん入力していきます。
この際、フィールドセールスの仕事の流れをしっかりイメージし、外出を伴う場合は移動しやすい商談の順序になっているか、重要商談の前にしっかり準備の時間を確保できているかなど、営業サポートの側面ももってインサイドセールス業務を行うと、より効果的なフィールドセールスのサポートになります。
リードナーチャリング
フィールドセールスが商談を行った際、1回目の商談で成約が獲得できることは稀です。
興味は持ってくれたけど予算策定時期が半年以上先など、すぐにはどうこうできない商談先もどんどん積み上がっていきます。
このような商談先に、「最近いかがですか?」といった連絡をフィールドセールスが行っていたら、その分商談を行う時間が割かれ、営業効率が下がってしまいます。
そこで、インサイドセールスの出番です。
そのようなすぐに案件化しなかった商談先に対し、インサイドセールススタッフが「先日は、弊社の〇〇がお時間をいただき、弊社サービスのご説明をさせていただきまして、誠にありがとうございました。その際、~~~といったお話があったと伺っているのですが、状況にお変わりないですか?」といった形で、フィールドセールスのアシスタントという位置づけでフォローを行うのです。
その際、手段は電話とは限りません。
連絡がつきにくい方にはメールを送るなど、目的は過去の商談を温めることですから、様々な手段で関係が切れないように尽力します。
アフターフォロー(営業アシスタント)
商品やサービスによっては、購入していただいた後に使い方の説明での不明点など、各種質問を承る必要があるものもあります。
それらを引き受けるのもインサイドセールスの仕事です。
入ってきた電話に対応するのはもちろん、逆に、質問が出てきそうなタイミングでこちらから電話を入れ、「なにかお困りごとはありませんか?」というコミュニケーションを行うのも大切です。
このような業務をインサイドセールスが行うことで、フィールドセールスは眼の前の商談に集中できるのはもちろん、フィールドセールスがお客様先に伺って対応しなければならない事案をタイムリーに補足できます。
それにより、お客様の離脱の防止や、クロスセル、アップセルにつなげることが可能になります。
インサイドセールス成功のポイント
このように、うまく運用されると営業効率に多大な貢献をしてくれるインサイドセールスですが、成功させるにはいくつかポイントがあります。
適切な担当者のアサイン
まずは、適切な担当者をアサインすることです。
インサイドセールス業務はテレアポが主な内容になりますから、テレアポの適性があることが求められます。
また、フィールドセールスの状況をイメージしながらアポイントのスケジューリングをしたり、フィールドセールスのアシスタントの位置づけでフォローコールを行うこともあることから、相手のことを慮る姿勢も重要です。
最後に、一人でずっとテレアポを行ってしまうと気が滅入ってしまうので、このような適性がある人を複数人手配する必要があります。
適切なマネージャーのアサイン
適切な担当者が揃ったら適切なマネージャーが必要になります。
インサイドセールス業務のマネージャーにもいくつかのスキルが求められます。
まずは、インサイドセールスのテレアポが行き詰まったときにアドバイスを与えて好転させるスクリプト改善力やトークスキルの育成力が必要です。
コールスタッフは、いつ、どこで、何を理由に、スランプに陥るかわかりません。
それらに対して適切にアドバイスして再びパフォーマンスを上げてもらうための引き出しが必要です。
次に、テレアポ業務はストレスとの戦いという側面がありますから、インサイドセールスメンバーのモチベーションマネジメントもできなければなりません。
ちょっとした表情や言葉遣い、日々のパフォーマンスの変化からモチベーションの変化を感じ取り、常に良好な精神状態でメンバー全員が働けるようにしておく必要があります。
最後に、関係部署との調整も求められます。
インサイドセールスはあくまでフィールドセールスの営業効率を最大化するためのチームです。
よって、フィールドセールスの役に立てているかは常に気をつかわなければなりませんし、フィールドセールスの営業方針に変更があればそれに合わせてインサイドセールスも全面的に業務を見直す必要があります。
そのような調整をスムーズに行いつつ、きちんとインサイドセールスメンバーにも落としていくことも求められます。
営業チームとの連携
インサイドセールスマネージャーに必要なスキルでも触れましたが、インサイドセールスはフィールドセールスの効率を上げてこそ存在意義があります。
フィールドセールスが重点顧客と見ていないターゲットのアポイントをたくさん獲って得意げにしていても、それは評価されません。
「インサイドセールスチームはフィールドセールスの営業効率を上げてこそ存在意義がある」という意識をインサイドセールスチーム全体にしっかり根付かせるとともに、いつもその点にアンテナが張られている状態を作れるかどうかが成功の鍵です。
モチベーションを維持するためのフィードバック
インサイドセールス業務は軌道に乗ってくると安定運用になりますから、仕事が単調になります。
決められたリストに決められたスクリプトでコールすると所定の割合でアポイントが取れる、フィールドセールスから戻された商談相手に対して指示通りの日付で指示通りの内容でフォローコールを入れる、などというように、仕事の内容が作業的になっていってしまいます。
その状態を避けるために、どのようなアポイントからどのような成約が生まれたのかですとか、誰のフォローが良かったおかげで大きな成約に結びついた、といった、インサイドセールス業務に対して日頃から試行錯誤、切磋琢磨しなければという意識が生まれるようなフィードバックを行っていくことが必要です。
インサイドセールスでよく設定されるKPI
インサイドセールスを成功に導くためのポイントがわかったところで、成功しているかどうかはKPIを確認しないとわかりません。
ここでは、一般的によく設定されるインサイドセールスのKPIを紹介します。
アポイント獲得数
インサイドセールスの主な業務の一つがフィールドセールスの商談を獲得することです。
よって、どれくらい商談を獲得したかというアポイント獲得数はKPIとして設定されることが多くあります。
また、アポイント獲得数を更に細分化し、担当者ごと、リストごと、商材ごとなど細かく集計することで、誰のトークスキルを横展開すべきなのか、どのようなターゲットがよく反応しているのか、どの商材が人気なのかといった、今後の改善に活かすことができる情報を収集することができ、更にインサイドセールス業務が効率的になります。
架電数・通話時間
アポイントがなかなか取れないなど、インサイドセールス業務がうまくいかなくなってきたときにチェックしなければいけないのが架電数や通話時間です。
これらが落ちてきているということは、インサイドセールスメンバーのモチベーションマネジメントがうまくいっていない可能性がありますし、架電数や通話時間が落ちれば全体のパフォーマンスが下がるのは当たり前です。
逆に、これらのKPIが問題ないのにパフォーマンスが落ちている場合は、競合製品の登場、ターゲットのニーズの変化など、営業戦略にエラーが生じ始めた可能性があり、そこから見直しが必要です。
メール開封率
電話ではなくメールでフォローする場合です。
専用のシステムなどを使い、どれだけメールが開封されているかを確認することで、送っている文面や時期が適切かといったことを確認することができます。
開封率の高い文面が見つかればその内容を再利用し、メールでのフォロー活動全体の効率アップに繋げましょう。
再商談設定数
一度商談した相手に対してフォローを行い、どれだけ再商談につなげているかを見る指標です。
フィールドセールスとインサイドセールスの連携がうまくいっていれば、きれいなフォローを行うことができ、再商談設定数も伸びているはずです。
逆に、このKPIが良くない場合、フィールドセールスとインサイドセールスの連携がうまくいっていないのはもちろん、そもそもインサイドセールスがフィールドセールスの営業効率を最大化することに意味があるということを理解していない可能性もあります。
インサイドセールスを外注した方がいい理由
最後に、当社では、ここまでご説明してきたインサイドセールス業務を外注先としてご依頼いただくことが多いのですが、外注したことで得られるメリットについてご紹介します。
モチベーションマネジメントから解放される
先述のように、インサイドセールス業務の多くはテレアポです。
そして、テレアポ業務はメンバーのモチベーションマネジメントが非常に難しい業務です。
また、インサイドセールスという業務自体も軌道に乗れば作業的意味合いが強まっていきますから、業務の中身が単調になり、モチベーションが維持しにくくなります。
よって、インサイドセールス業務を外注することで、モチベーションマネジメントから解放され、インサイドセールスメンバーのモチベーションをメンテナンスするために割かれていた工数が解放されます。
育成の手間が省ける
テレアポ業務は特殊なスキルを要する業務です。
事前に用意したスクリプトを棒読みするだけではアポイントは取れず、抑揚や相手からの返答に対しての切り返しなど、様々なスキルを学ぶ必要があります。
また、インサイドセールス業務ではフィールドセールスのことを考えたスケジューリングなど、フィールドセールスについての深い理解、洞察も必要です。この点についても育成が必要になる分野です。
最後に、フィールドセールスが商談した相手をフォローする場合は、商材知識も一定程度持っておく必要があります。
これらの育成が必要な分野に対し、テレアポスキルやフィールドセールスへの理解は、外注業者は教えなくとも保有しています。
唯一、商材知識は外注先に教えなければいけませんが、受託業務として行う以上、真剣に学んでくれることが想定できます。
「忘れてしまいました。なんでしたっけ?」と言ってくる自社スタッフと比較すると、外注だからこその安心感があるとも言えます。
インサイドセールスをフル稼働させられる業務を用意しなくて良い
インサイドセールススタッフを一人雇用したとします。
一人が一日にコールできる最大数を100としたとき、月間20営業日では2000コールを行うことができます。
担当者が不在などで、同じ営業先に複数回、仮に3回コールしたとすると、約700リスト消化する計算です。
また、前述のようにインサイドセールス業務は一人で行うよりも複数人で行ったほうが効率的ですから、仮に3人で行うと1ヶ月で2100リストが必要です。
このリスト数が毎月必要になる営業活動というのは、かなり大規模なものです。仮にリストに対して5%のアポイントを取得するとすると、毎月100アポを裁く営業体制が必要ということになります。
そのような企業はなかなかの規模の企業と言えるでしょうし、裏を返すと、それくらいの営業体制がない企業でインサイドセールスを立ち上げても効率が悪いとも言えます。
その点、外注先であれば、様々なクライントの仕事を組み合わせてインサイドセールスメンバーのスケジュールを埋めていきますので、営業体制がもっと小規模の企業でもインサイドセールスを立ち上げていくことが可能です。
いかがでしたでしょうか?
インサイドセールスという言葉をマーケティング業界で聞くようになってからしばらく経ちますが、改めて勉強したい方が全容を理解できるようにまとめたつもりです。
参考になりましたなら幸いです。
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