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営業ノウハウ
2025.02.06

パフォーマンスの高いインサイドセールスを行うコツ

営業ノウハウ / 大村 康雄

パフォーマンスの高いインサイドセールスを行うコツ

インサイドセールスとは?

マーケティング用語の一つとして、インサイドセールスというワードをよく耳にするようになったかと思います。
その意味合いですが、インサイド=中、セールス=営業、ということで、社内にいながら営業を行うチームのことを意味します。

新型コロナ前は営業スタッフは顧客のところに訪問するのが一般的でしたから、外回りの営業スタッフのことをフィールドセールスと呼び、その対になる言葉としてインサイドセールスと言われていました。

昨今では、フィールドセールスも社内からオンラインで商談することが増え、どちらもインサイド(中)にいることになっているわけですが、契約を迫る商談を行う営業機能のことをフィールドセールス、そこに至るまでのサポートのことをインサイドセールスと呼ぶのが一般的になっています。

インサイドセールスとテレマーケティングの違い

インサイドセールスがどのようにフィールドセールスをサポートするのかというと、電話を使ったアポ取りがサポートの入口になることがほとんどです。
インサイドセールスがアポ取りを行うことで、フィールドセールスは業務時間のほとんどを商談に充てることができ、売上が上がるというわけです。

では、電話でアポ取りといえば、テレマーケティングと言われる業務、業者もありますが、その違いは何でしょうか?
答えは、一方通行か双方向かにあります。テレマーケティング業務はアポイントを取ってフィールドセールスにパスをし、商談してもらいます。ここまではインサイドセールスも同じです。
しかし、インサイドセールスではそれに加えて、すぐに案件化しない顧客を引き取り、その後の状況を伺うなどのフォロー活動まで行うのです。

フィールドセールスにパスをして終わるか、フィールドセールスにパスした後も成約に向けたフォロー活動を行う、この違いがテレマーケティングとインサイドセールスの違いです。

インサイドセールスがうまくいかない5つの理由

このように、活用できると営業にとってプラスに働く可能性が高いインサイドセールスですが、多くの企業でインサイドセールスチームを立ち上げようとしてうまくいっていないようです。
その理由は主に5つあります。

アサインできるメンバーがいない

テレマーケティングは昨今の若手社員は特に嫌がる業務と言われています。
子供の頃からスマートフォンに触れており、“話したい人といつでも会話ができる”という環境が当たり前だったからです。
そのような今までテレマーケティングを行っていなかった社員に、「明日からテレマーケティングをやりなさい。」という辞令を出した場合、ほとんどのケースではネガティブな反応が返ってくるでしょう。最悪の場合、退職してしまいます。

マネジメントできるメンバーがいない

アサインに成功、もしくは外部からテレマーケティング経験者を採用できたとします。
しかし、その後にはテレマーケティングのスクリプト作成やリスト作成、フィールドセールスに出すパスの定義付けなど、様々な面のルール化や育成が必要になります。
これもまた経験がない人には高いハードルであり、このあたりでモタモタしているとテレマーケティングメンバーもモチベーションが低下してしまい、チームの解体につながってしまいます。

インサイドセールスメンバーを複数人置くことができない

テレマーケティング業務とは、ほぼほぼ断られ続ける仕事といっても過言ではありません。
そのような業務に一人で臨んでいると、相談もできず、次第にメンタルが弱ってきて、コール量も徐々に減っていき、やがて機能しなくなります。チームという言葉は複数人を意味するわけですが、文字通り、インサイドセールスチームはチームとして立ち上げないと尻すぼみになってしまいます。

インサイドセールス部隊専用のスペースを社内に確保できない

繰り返しですが、テレマーケティングは断られ続ける仕事です。よって、周囲に電話をかけていないメンバーがデスクワークをしていると、断られるのを聞かれるのが恥ずかしいなど、次第にコール量が減ってきます。
相手の声は聞こえないのではないのか?と思うかもしれません。ですが、名乗った瞬間に受話器を置いたらどうでしょうか?「あ、断られたな」と気づきます。このような恥ずかしさがコールペースを鈍らせていきます。

インサイドセールス部隊は彼らのみのスペースを用意し、そこに座っているメンバーは常に電話をかけていないとおかしい、という状況を作らないといけません。

仕事内容が単調なのでモチベーション維持が難しい

テレマーケティングを行ってアポイントを取る、電話にて状況を確認して次回アクション日を設定する、このような仕事がインサイドセールスの主な業務です。
商材が定期的に変わるなどあれば、電話先の方の反応が変わるなど新たな刺激がありますが、基本的に商材がコロコロ変わることはありません。
つまり、同じ商材を同じ流れでアピールする日々が続き、段々とマンネリ化していってしまいます。

以上のような点が、インサイドセールスを立ち上げる際にどこの企業もぶつかってしまう壁です。
この壁を乗り越えなければパフォーマンスの高いインサイドセールスチームの内製化は成功しません。

 

パフォーマンスの高いインサイドセールスを立ち上げる4つのステップ

では、実際に、パフォーマンスの高いインサイドセールスチームを立ち上げるためにはどのような手順を踏めばよいのか、一つ一つ説明します。

インサイドセールス部隊専用のスペースを確保する

先述の通り、コールスタッフは自分が断られたことが周囲にバレてしまう環境では、それが恥ずかしくなり、次第にコールペースが減っていきます。業務の95%は断られる仕事なので、当然の結果です。
よって、インサイドセールスチームを立ち上げる=インサイドセールス部屋を作る、と同義だと考えてください。
他の業務をやっている人から電話を聞かれることなく、黙々とコールに集中できる環境を用意してあげることが必要です。

インサイドセールス担当者を複数人アサインする

黙々とコールに集中できる環境ができて、コール数が高い水準で維持できていたとしても、それがそのまま品質の向上につながるわけではありません。
きちんとPDCAサイクルを回さなければ、ただただNGと言われるコールを積み上げるだけとなります。
また、コールスタッフが一人の場合、その人だけが成果が出ないのか、はたまたそもそもコールスクリプトが悪いのか、判断が付きません。

よって、必ずコールスタッフを3人以上は配置し、お互いに相談できるようにするとともに、お互いのパフォーマンスを可視化して、誰か一人がうまくいっていないのか、それともコールスクリプトが悪いのか、確認できるようにしましょう。

フィールドセールスとの連携を密にする

フィールドセールスとの双方向のやり取りを行うことが、インサイドセールスとテレマーケティングの違いです。よって、以下のようなことをフィールドセールスとすり合わせておく必要があります。

・アポイントをパスする際、事前にヒアリング、確認しておくことはないか
・見込み顧客とどのような商談をしたのか
・商談ですぐに案件化しなかった場合、どのようにインサイドセールスチームがフォローしていくのか

その他にも商材や業界によって連携をしなければならない項目は色々想定できますが、それらを確認しておきます。

人事評価制度を整備する

これまでのことを準備できれば、インサイドセールスチームを稼働させる最低限の準備が整うはずです。残りのポイントは、インサイドセールスチームの人事評価制度を整備することです。

インサイドセールスという業務はともすると、単調になりがちであり、モチベーションの維持が難しい業務でもあります。その点をカバーする施策の一つが人事評価制度です。

日々の業務のどのような点が評価され、その結果としてどのように給与やボーナスに反映されていくのかがわかれば、モチベーションを維持しやすくなります。

 

フィールドセールスとの連携フロー例

実際に、フィールドセールスとどのように連携を取りながらインサイドセールスが稼働していくのかを見てみましょう

1.フィールドセールスへのヒアリング

まず行わなければいけないことが、フィールドセールスへのヒアリングです。
内容は、
・どのような商品を営業していくのか
・ターゲットはどのような企業なのか
・アポイントが取得できた際に何を確認しておけばよいのか
・アポイントの日程はどのように確定させればよいのか
などといったことです。
当たり前ですが、フィールドセールスが望まない動き方をしてはインサイドセールスの意味がありません。
ヒアリングした内容をスクリプトとしてまとめ、フィールドセールスに確認してもらい、OKが出たら稼働開始です。

2.アポイントの取得

稼働開始してまず目指すのはアポイントの取得です。
インサイドセールスチームの至上命題は、フィールドセールスを商談に集中させることです。
コンスタントにアポイントが取れる状態に一刻も早く到達し、その状態をキープする必要があります。
うまくいかない場合、インサイドセールスチーム内で議論を重ね、スクリプトを改善していきましょう。

3.フィールドセールスへのアポイント供給

アポイントが取得できたらフィールドセールスにパスし、商談の対応をしてもらいます。
パスの方法ですが、フィールドセールスとスケジュールを共有し、空いているところにどんどん埋められればベストです。
また、スケジュールの詳細入力欄に事前に取り決めたアポイントが取得できた際の確認事項を記載しておけば、フィールドセールスは日程確認とともに内容も把握できます。
このように、インサイドセールスはフィールドセールスの営業効率を最大限に高めることを徹底的に突き詰めていかねばなりません。

4.長期フォロー客の巻取り

フィールドセールスが商談を行った結果、今すぐの提案や見積もり提出といった次のステップに進まなかったものも発生します。
そのような商談の内容をヒアリングし、いつにどのような内容でフォローしていくのか、フィールドセールスと作戦を立てます。
これを行うことでフィールドセールスは長期フォロー客を意識から外すことができ、成約可能性の高い見込み顧客への対応に集中することができます。

5.長期フォロー客への再アプローチ

フィールドセールスと取り決めた長期フォロー客へのアクションを取る期日が到来したら、実際に電話をかけ再度のアポイント取得を試みます。
一度アポイントを取得して、商談をしている先ですから、初回の電話とはスクリプトが異なります。
具体的には以下のようになるでしょう。
「お世話になっております。株式会社〇〇の~~です。以前、○月✕日に弊社△△とお打ち合わせのお時間を頂いたかと思いまして、誠にありがとうございました。私、△△のアシスタントをしている者です。
お打ち合わせの際、・・・・・・・・・・・といったお話になったかと思い、その後のご状況を伺えればと思い、ご連絡いたしました。
もし、当初の予想通り、・・・・・・・・・・・という状況でしたら、再度△△からお話をさせていただければと思うのですが、いかがでしょうか?」
このような電話を行うことで、インサイドセールスがフィールドセールスのサポートとして、取りこぼしなく案件獲得を進めていくことができます。

フィールドセールスとインサイドセールスの連携を深めるための4つのポイント

最後に、インサイドセールスの稼働が開始した後、更にフィールドセールスとの連携を深め、営業活動全体としての効率上げるために着目しておくべきポイントを紹介します。

アポイント取得時の事前ヒアリング

インサイドセールスでアポイントを獲得できた際、フィールドセールスが商談がしやすくなる情報をヒアリングしておくと、フィールドセールスの商談の質を上げることができます。
例えば、
・現在気になっている当社商品
・現在の課題
・現在の対策状況
・知りたい事例
など、アポイント取得段階でヒアリングできれば、フィールドセールスがしっかり商談の準備ができます。
実際の聞き方は以下のようになります。
「それでは、○月✕日△時に弊社~~が対応させていただきます。その際、より御社に適した情報を準備するためにいくつかご質問よろしいでしょうか?」
→ヒアリング

このように聞くと、”商談の準備のため“という名目があるのである程度の質問に返答頂けます。
とはいえ、踏み込みすぎた質問は答えてもらえないどころか心象が悪くなり、商談がマイナスからのスタートになってしまいますので、フィールドセールスと話し合い、ベストなヒアリング項目を決めていきましょう。

商談内容共有

フィールドセールスが商談した見込み顧客が長期フォローになった場合、インサイドセールスチームはどのような商談が行われたのか把握していないとトラブルになってしまう恐れがあります。
具体的には、「そんなことも共有受けていないのに電話してきたの?」というものです。
よって、商談内容の どのような情報をどの程度インサイドセールスチームは共有を受けるべきなのか しっかり決めておく必要があります。
過不足ない情報をインサイドセールスチームが握ることで、長期フォロー顧客と電話がつながった際にスムーズにトークを展開することができ、クレームにならないのはもちろん再度のアポイント取得にも繋がりやすくなります。

営業戦略の即時共有

フィールドセールスは常に商談にて見込み顧客へ接していますから、顧客の反応の変化から営業戦略を変えたいと思うことがあります。
また、新製品のリリースや部署全体の目標を追いかけるためにターゲットの絞り込みなど、営業戦略は一定の頻度で変更がされていきます。
そのような変更をインサイドセールスチームがしっかり共有を受けていないと、ターゲットが変わったのに、以前のターゲットに引き続きコールを行うなど、当然ながらフィールドセールスにとって望ましくない動き方に結果的になってしまいます。
このような事態を防ぐべく、フィールドセールス責任者とインサイドセールス責任者は密に連携を取り、営業戦略への認識が常に一致している状況を作っておかねばなりません。

 

ここまで書かれていることを一つ一つ実行に移しながらインサイドセールス業務を立ち上げれば、必ずやパフォーマンスの高いインサイドセールス体制が確立されると思います。
道のりは長く感じられるかもしれませんが、一歩一歩進めてみてください。
難しい場合はぜひ当社までお問い合わせください。

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