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- 営業商談の流れを解説!オンライン・対面でも活用できる基本的な流れを紹介!
コンサルタントコラム

商談の成約率が上がらない…成約を下げている要因と改善のために今すぐできることを紹介!
商談とは
今回は、“商談”にスポットライトを当てて解説していきます。
まず、前提として、そもそも“商談”とはどのようなものなのか、きちんと理解していますでしょうか?
似たような言葉として“打ち合わせ”がありますが、その違いについても解説します。
商談と打ち合わせの違い
“商談”とは、言葉の中に“商い”という漢字が入っていることからもわかるように、商売に関する話し合いのことを言います。
つまり、価格の交渉、契約の締結など、お金が動く話をするのが商談です。
一方、“打ち合わせ”とは、契約後の今後の流れについての説明など、お金が動くこと以外についての話し合いです。
よって、商談とは、契約を獲得するために行われるものですから、打ち合わせと比べて商談相手を契約したいという気にさせるための事前準備が必要になります。
商談前の流れ(商談準備)
では、具体的にどのような準備が必要になるのか見ていきましょう。
①ターゲットの選定
商談相手が変われば、興味を持つポイントや困っているポイントも変わりますから、商談の組み立ても変わってきます。よって、毎回毎回いろんなターゲットと商談しては、商談の進め方が定着せず非効率です。
事前に、どのようなターゲットに対して商談をしていく、営業をしていくということを明確に定め、商談を重ねるごとにブラッシュアップされていくようにしましょう。
②顧客理解を進める
ターゲットを定めても相手がどのようなことに興味があることが多いのか、どんなお困り事が多いのかということを理解できていなければ、そのターゲットに定めた意味がありません。
狙っているターゲットの多くが興味を持っているポイントはどこなのか、狙っているターゲットの多くが困っているポイントはどこなのか、しっかり顧客理解を深めておきましょう。
➂提案内容をまとめる
顧客理解を深めたら、相手が興味を持つポイントや困っているポイントに対し、こちらからどのような提案をぶつけるのかを考えなければなりません。
ただ、商談のその場で考えるのは至難の業です。アイディアが浮かばなければ、その商談を無駄にしてしまいます。
せっかく顧客理解を深めて、相手が興味を持ちそうなポイントや困ってそうなポイントを把握したわけですから、事前に「こういう興味の場合はこれを提案する」などとシナリオをいくつか考えておきましょう。
これにより、ぶっつけ本番で提案を考えるという事態を防ぐことができます。
④資料を作成する
提案内容のシナリオを事前に考えたら、頭の中に留めるだけでなく、資料に落としましょう。
こうすることで、シナリオを忘れてしまうということは絶対になくなります。
また、口頭だけで提案する場合、商談相手のペースに飲まれてしまうとうまく説明できないまま終わってしまう可能性がありますが、資料に落としておけば、文字情報として確実に提案内容を相手にぶつける事ができます。
さらに、複数人で営業活動を行っている場合、誰かが別の効果的な提案内容を思いついた際に、それをすぐに資料に反映することで、営業メンバー全員が一気にレベルアップすることが可能です。
商談の流れ
次に、実際に商談がどのように進んでいくのか説明します。
①挨拶・アイスブレイク
まずは、挨拶とアイスブレイクです。アイスブレイクとは、アイス(氷)をブレイク(壊す)するということで、初対面で氷のような緊張感のある雰囲気を壊すことを意味します。
名刺交換の後に軽く雑談を行い、商談相手に「嫌な人ではないな」ですとか、「話しやすそうな人だな」など、個人として信用してもらうきっかけを作りましょう。
②会社紹介
個人として信用してもらうきっかけができたら、今度は会社として信用してもらう番です。
全国的に知名度のある会社ではない限り、商談相手はどんな会社が商談に来たのかよくわかっていません。
よって、しっかり会社紹介を行い、「知名度はまだまだかもしれないが、しっかりとした会社なんだな」と思っていただくことが重要です。
このとき、口頭で紹介しても信憑性に欠けます。会社紹介資料を作成し、一枚一枚ページをめくりながら、しっかりと自社のことを理解してもらってください
➂課題やニーズのヒアリング
アイスブレイクで個人として、会社紹介で会社として信用してもらうきっかけが出来たら、いよいよヒアリングに入っていきます。
その際、以下のようなポイントを抑えながら進める必要があります。
困り事がない人とは商談にならない
ヒアリングに入った際、「特に課題はないですね」などと言われた経験がある人もいるかと思います。
しかし、課題がないのにアポイントを了承するでしょうか?
飛び込み営業で勝手に押しかけた場合と間に紹介者がおり、その人の顔を立てるためにアポイントを了承した場合の2パターンのみ、課題がなくても商談が行われる可能性がありますが、それ以外の場合は、先方が問い合わせてきた、テレアポをしたらアポイントを承諾してくれたなど、相手がアポイントを受け入れるという意思を示したからその商談が設定されているはずです。
つまり、何かしらの困りごと、モヤモヤがあるからその商談は行われているはずなのです。
よって、「商談相手に困りごとがあるか」というスタンスではなく、「絶対に困りごとがあるのでそれはなにか」というスタンスでヒアリングに臨んでください。
困り事がある担当者は何かしら対策を行っている
モヤモヤや困り事が浮かんだ担当者が何もその解消のために動かないかというと、そんなことはないはずです。何かしらアクションを取るでしょう。
しかし、そのアクションを取っても、モヤモヤや困り事が解決しなかったので、商談を受け入れたわけです。
よって、商談に臨む営業担当者は、その解決できずに残ったものが何なのかを把握し、それを解決してあげることがミッションとなります。
それを把握するためには、担当者が抱えている課題と、それに対して行った対策を順にトレースしていくことが必要です。
具体的には、以下のようなヒアリングになります。当社にちなみ、営業支援サービスで商談を行った場合を例に説明します。
営業担当者:「本日、お時間をいただけたということは、何かしら営業面でお困り事やモヤモヤがおありなのかなと思ったのですが、その当たりいかがでしょうか?」
先方担当者:「そうですね。大きなクライアントとの取引が終わってしまったので何か挽回しないとと思ってますね。」
→課題で営業担当者へリターン
営業担当者:「そうなんですね。それは大変ですね。挽回しないとということのですが、すでに何かそのために行ってることはありますか?」
→対策をヒアリング
先方担当者:「既存顧客対応に偏りがちな当社の営業スタッフに新規開拓を重点的にやるように指示してます。」
→対策で営業担当者へリターン
営業担当者:「新規開拓を重点的にやるように指示したんですね。結果はどうでしたか?」
→課題をヒアリング ※対策の結果解決していたら、この商談は存在しない
先方担当者:「いまいちですね。もともと既存顧客対応ばかりやってたので新規開拓のノウハウも乏しいです。なので、外部業者のチカラを借りないとという話をしてました」
→課題とともにそれに対する対策も表出
営業担当者:「なるほど、それで本日私がお時間をいただけたわけですね。現状は良さそうな外部業者は見つかりましたか?」
→課題をヒアリング
先方担当者:「いえ、まだです。外部業者といっしょに営業するのが初めてなので、どういう基準で選定すれば良いのかもわかってません。」
→課題で営業担当者へリターン
営業担当者:「かしこまりました。それでは、私がどういう時にどういう業者、サービスを活用すると良いかというところから説明させて頂き、その結果として当社と接点がありそうであれば、当社のサービスのご紹介をさせていただければ、お役に立てそうでしょうか?」
→先方の課題が“最後に残った課題”だと判断したので、提案に移行
先方担当者:「そうですね。そのようにしていただけると助かります。」
具体的な提案をするために必要な情報は最後にヒアリング
具体的に提案をするには、予算感や現状の組織構成など、提案を構築するために必要な情報があるかと思います。
そのような情報を先の例の課題と対策をトレースしている段階で聞いてしまうとノイズとなり、正確な最後に残った課題にたどり着きにくくなります。
よって、そのような情報は、最後に残った課題を突き止めた後、実際に提案する直前にヒアリングします。具体的には以下のような言い回しです。
「それでは、実際に当社のサービスのご紹介ができればと思うのですが、より御社の実情に沿ってお話をさせていただくために、いくつか伺ってもよろしいでしょうか?」
④理想状態のすり合わせ
ヒアリングの締めとして、最後に残った課題を先方担当者にぶつけ、それを解決することでお役に立てますか?と、投げかけました。
これが理想状態のすり合わせなのですが、この時に相手の表情や返答の言葉が前向きではない場合、「何か表情的にはしっくり来ていない印象なのですが…」などと持ちかけ、ヒアリングをやり直してください。
理想状態のイメージが共有できるからこそ、その後に続くサービス紹介をワクワクした状態で聞いていただけるとともに、そもそも理想状態のイメージの共有ができないということは最後に残った課題を誤認している可能性が高いです。
そのような状態で提案しても成約は見込めません。
⑤自社サービス/商品の紹介、提案
理想状態をすり合わせたら、サービス/商品の紹介に入ります。
オーダーメイドで提案書を作るような商材の場合は過去実績を紹介し、実際にその理想状態に持っていった実績があることをアピールします。
この時に重要なのは、サービス/商品紹介にせよ、実績紹介にせよ、資料を事前に作っておき、資料通りに説明するということです。
口頭で説明する割合が多くなると、言い忘れや誤解を招く表現などが発生する可能性があり、アピールすべきことがしっかりと伝わらない可能性があります。
⑥質疑応答にて不安や懸念点の解消
提案を受けたら、先方から何がしかの反応が返ってくるでしょう。
それらに丁寧に答えて、契約に向けて前向きにすることが必要です。
このステップでは、先輩営業スタッフからどのような質問が来ることが多いかをヒアリングし、それに対するうまい返し方をトレーニングする必要があります。
一番早い上達の仕方は、先輩営業スタッフが矢継ぎ早に新人営業スタッフに質問を投げかけ、うまい返答が問題なくできるようになるまで継続的に行う方法が効果的です。
⑦クロージング
商談の最後で重要なのは、「また何かありましたら」とそれっきりの関係にならないことです。
ヒアリングをうまくできていれば最後に残った課題を共有できているはずですから、後はそれをいつ一緒に解決に向けて動き始めるかがポイントになります。
すぐに動き始めるということであれば、先方社内ですぐに最終稟議に入るでしょうから「検討結果はいつ出ますか?」と結果を伺うタイミングを把握します。また、予算策定時期の兼ね合いなどで今すぐには動けないということであれば、次にいつ連絡をすべきか約束を取り付けておきましょう。
そうすることで、実際にその時期になった時に「先日、お約束していた時期になりましたのでご連絡しました。」と、すんなりフォロー活動ができます。
商談後の流れ
商談はその後にも抑えておくべきポイントがあります。
お礼メールの送付
忙しい中お時間をいただいたわけなので、お礼メールは送っておきましょう。
ただし、ただのお礼で終わってはいけません。重要なポイントは、お礼に加えて商談で話したことと今後の流れを書いておくことです。
具体的には、「◯日に私から検討結果を伺う」など、次のアクションに対してお互いに認識の相違が生まれないようにします。
これにより、後々のフォロー活動も円滑に進めることができ、成約率も向上させることができます。
オンライン商談と対面商談で流れの違い
昨今では、対面商談よりもオンライン商談のほうが多く行われる傾向があります。
そして、オンライン商談と対面商談で何か違いがあるのかとよく質問を受けるわけなのですが、商談の流れ自体に違いはありません。
違いがあるのは、対面商談の方が良くも悪くも話が脱線しやすいということです。
脱線したところから有益な情報を入手できることもありますが、営業経験の浅いスタッフは脱線から元の商談に戻せないまま終わってしまうこともあります。
よって、オンライン商談のほうが新人営業スタッフ向き、対面商談がベテラン営業スタッフ向きと言えるでしょう。
オンライン商談を成功させるポイント
オンライン商談の際、対面商談との違いとして以下のようなポイントを意識するとより効果的です。
資料を画面共有しながら話す
事前に先方担当者に資料を送り、先方担当者のPC上で見ていただくことは可能ではあります。
しかし、この方法を行うと、自分が説明しているのと別のページを見られる恐れがあります。
よって、事前に資料を送るのではなく、商談時に画面共有をし、こちらのペースで説明が進められるようにしましょう。そして、商談後に資料のデータを送りましょう。
カメラ目線を意識する
オンライン商談の特長として、画面上の相手の顔を見るとカメラから視線がズレますから、相手からするとそっぽを向いているような形になります。
よって、カメラを見ながら周辺視野で相手の表情を確認するようなイメージで画面と向き合うと、相手からすると視線がしっかり自分を見ているような状況になり、印象が良くなります。
リアクションを大きめにする
通信速度が遅かったり、相手のスクリーンの画素数が少なかったりすると細かい表情の変化は伝わりにくくなります。
よって、商談相手の話になにかリアクションをする場合、通常のときよりも少しオーバー気味にすることで実態に近い形で先方に伝わります。
商談の流れを理解して受注数を増やそう!
ここまでのことを理解できれば、商談に臨む際の事前準備は十分かと思います。
商談の準備やイメージを膨らませる際に重要なことは、人と人とのやり取りなのでコントロールできないことと思うのではなく、「決められた商談の流れ、資料の説明の仕方など定型のモデル、いわゆる“型”を作ることが可能であり、むしろその“型”を作っていかないと商談の効率は向上していかない」と認識することです。
そのような認識を持つことさえできれば、後はその“型”をどう良くしていくかという議論に入れますので、営業に携わるメンバー全員でどんどんブラッシュアップしていけます。
ぜひ、そのような状態に到達し、絶え間ない営業効率向上を目指してください。