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2016.12.20

営業計画の必須要素

営業戦略
営業戦略 / 大村 康雄

「今月の売上目標は300万円です。それに対し、先月くらいからお問い合せの件数が減ってきているので、お問い合せから見込める売上をいつもより少なく見積り、今月は既存顧客に毎日1件は最低でも回り、カバーしていきます。」

 

営業会議でこんな営業計画を発表した営業マンがいるとします。

 

あなたが営業部長として、この営業計画を承認するでしょうか?

 

 

 

私が営業部長であれば、却下です。

 

理由は、売上目標達成のための所要時間が算出されていないからです。

この状態ではこの営業チームはうまくマネジメントされません。

 

 

売上目標達成のための所要時間とは何なのか。

 

こんな風に算出します。

 

300万円が目標売上で、お問い合せと既存顧客からの2つの経路から達成を試みます。

 

今までは、お問い合せ200万円、既存顧客100万円だったところをお問い合せの減少に伴い、今月は150万円ずつとしましょう。

 

また、お問い合せと既存顧客では成約単価が異なります。お問い合せは30万円、既存顧客は50万円です。

 

ここから以下のように計算が進んでいきます。

 

■必要成約件数

お問い合せ:150万円÷30万円=5件の成約が必要

既存顧客:150万円÷50万円=3件の成約が必要

 

■必要最終稟議数(最終稟議2件で1件成約と想定)

お問い合せ:5件×2=10件の最終稟議が必要

既存顧客:3件×2=6件の最終稟議が必要

 

■必要見積り提出数(見積り提出3件で1件最終稟議と想定)

お問い合せ:10件×3=30件の見積り提出が必要

既存顧客:6件×3=18件の見積り提出が必要

 

■必要提案書提出数(提案書提出3件で1件見積り提出と想定)

お問い合せ:30件×3=90件の提案書提出が必要

既存顧客:18件×3=54件の提案書提出が必要

 

ここまで計算したところ、お問い合せと既存顧客合わせて90件+54件=144件の提案書提出が必要ということになりました。

 

これが所要時間の算出です。

 

 

 

提案書提出となるとそれなりに説明もあるでしょうから、どんなに頑張っても30分~1時間はかかります。

 

よって、提案書を作る時間も考えると1日に回れるアポイント数は4件が限界です。

 

そうすると、20営業日換算で80件しか回れないのです。

 

つまり、144件の訪問が必要なこの営業計画は破綻していることが判明しました。

 

 

 

では、どうするか?

 

いろんな方法がありえます。

 

成約単価を上げれば必要成約件数が減ります。

 

3件に1件の見積り提出の打率を、2件に1件にする施策が出れば必要提案書も減ります。

 

そんな感じで策を練り、売上を達成するための所要時間を手持ち時間内に収めるのです。

 

この考え方は、店外の呼び込み時間何分あたりで1組入店する、などのデータを取れば店舗系ビジネスでも活用できます。

 

 

 

イメージとしてわかりやすいのは、クルマのガソリン積載量と総走行可能距離です。

 

1500キロ走ろうとしてもリッター10キロの燃費で50リットルしかガソリンが入らなければ500キロしか走れません。

 

それを色々試行錯誤して、燃費を向上させてなんとか総走行可能距離を伸ばすのです。

 

 

 

営業会議での営業計画は所要時間まで落とし込まれてないと無意味。

 

来年に向けて営業計画を考える方もいらっしゃる、また、そのような方をマネジメントする時期かと思い、書きました。

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