営業チームの業績、パフォーマンス改善を行っている私ですが、当然ながら、売り上げ絶好調の営業チームからお仕事のお話を頂くことはほとんどありません。
中には、「うちのメンバーでも大丈夫なんだろうか?」と、責任者が営業メンバーに懐疑的なところからスタートするケースもあります。
このようなケースでも多くのケースでは部署のパフォーマンスは好転していきます。
理由は、営業メンバーへの懐疑心は両者の相互理解、歩み寄りの欠如によるケースが多く、そこを解きほぐすことで営業メンバーが営業に力を注ぎやすい環境になっていくからです。
具体的な事例で説明します。
ある営業メンバーは毎月150万円は稼げると思っている。
でも、マネージャーは毎月200万円はやってほしい。
つまり、この営業マンはいつも未達扱いです。
このような現場に私が来ると、おそらくこう言います。
「この営業メンバーの方の年収っていくらですか?毎月150万円でも給料の2~3倍確保できていれば達成で良いんじゃないですかね?周りのメンバーとの兼ね合いがあるなら、特別な部署か肩書を作ってそれでOKな人ということにしてしまいましょう。」
こうすることで、この営業メンバーは達成扱いとなり、自信を得て売り上げが上がっていくということもよくあります。急がば回れです。
これが、相互理解、歩み寄りの欠如ということです。
(しかし、これは自社内だけで行うことはなかなか厳しいです。外部コンサルなどの介入なしにそのような施策を取ると、怠けても会社がなんとかしてくれるという誤ったメッセージを送ることになりかねません。逆を言えば、多くの営業チームではこのような状況が起こっている可能性が高いともいえます。)
このように、ほとんどの現場では担当させていただくことでダメ営業マン扱いされていたメンバーもそれなりの戦力とみなす状況にナビゲートすることが出来ます。
しかし、中には、「あの方はちょっともう・・・」と言わざるを得ないケースも存在します。
今日は、そのようなケースをご紹介します。
■同じミスを繰り返す
「昨日、アポイント獲得が目標に届かなかったね。何が原因だった?」
「リストが足りませんでした。」
「それ、3日前も同じこと言って、毎日翌日のリストを確認してから帰宅するという施策を立てたよね?」
「忘れてました。」
という感じです。これが何度もいろんなことで続くタイプです。
失敗しても、その原因を究明し、施策を立てればその施策の数だけ成長していくわけですが、その施策が定着しないと何の意味もありません。
■しょーもない言い訳を平気で言う
「昨日、アポイント獲得が目標に届かなかったね。何が原因だった?」
「ちょっと昨日はなんか疲れててやる気が出ませんでした。」
という感じです。これ以上の説明は不要ですね。
その他に、説明不要で2つです。
■嘘をつく
■時間、期限が守れない
以上の4つが、私が社内、社外を問わずに営業スタッフ失格の烙印を押すときのチェック項目です。
1つでも引っかかると成長スピードがグッと下がります。当然、多ければ多いほどNGです。
この4つのどれもが他人に迷惑をかけたり、周囲からの見え方が悪い、評判が下がる行為です。
営業という仕事は会社の顔として社外に出て、お客様に提案し、時には交渉し、契約をまとめて売上を持ってくる仕事です。相手の反応を感知し、先読みし、その上でその場に応じて自分の立ち居振る舞いを臨機応変に変えねばならない仕事です。
上記4つの症状は、自分の立ち居振る舞いが相手にどのように映るのかわかっていない人の典型的なものです。つまりは、営業適性がかなり低いと言わざるを得ません。
ここまで読んで、「やはりうちのスタッフはダメなんだ!」と思った営業マネージャーの方、少しお待ち下さい。
人間というものは相対する相手に応じて、立ち居振る舞いを変える生き物です。
もし、営業メンバーがマネージャーに対し、不信感や不満などを大きく抱えている場合、普段は営業適性がある人でも上記のような行動を取る可能性があるのです。